僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

平凡、故に非凡。『モブ子の恋』は他の恋愛漫画と〇〇が決定的に違う!

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最近読んで鳥肌立った。あ、普通に良い方の鳥肌ですぜ。

「あぁ、漫画って素直でシンプルで良いんだ」と思えた作品。それが『モブ子の恋』。

 

『モブ子の恋』はコミックゼノンにて連載中の恋愛漫画。2020年7月現在で7巻まで出てる。

さくっと読めるし、コロナ禍におけるギスギスにやられてても、読後良い気持ちになれる。

 

 あらすじ:

20年間、ずっと片隅で“脇役”として過ごしてきた田中信子に芽生えた、初めての恋心。積極的な行動が苦手な彼女だが、勇気を振り絞って一歩ずつ距離を縮めようと努力する。ドキドキの大きさに、主役も脇役も関係ない。“主役”の恋に飽きたあなたに贈る、ささやかで爽やかな恋物語。

公式HPより

まぁぱっと見、よくある恋愛ストーリー。何が他の恋愛漫画と違うのかについて書いていきたい。

 

主要キャラクター紹介

田中信子(モブ子)

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大学2年生。地味で内気でネガティブな妄想ばかりが働いちゃう系女子。

傍から見るとしょーもねぇ!って思いそうな小さな事で悩み、躊躇し、くじけそうになってるじれったさの権化。でも配慮があって丁寧で、相手の事を思いやれる優しい性格。慎重なのは巡りすぎる配慮の裏返しという訳だ。可愛い。

モブ子の名セリフ

そうか 私は好きな人の特別になりたいんだ

  

入江博基

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入江君。同じく大学2年生の恋に奥手なサラ髪眼鏡男子。真面目で冷静沈着、されどやる時はやる熱い一面を持っている。そしてこの物語の裏の主人公。

 

入江君の名セリフ

これが恋だとしたら いつから

どれだけ前から 俺は 君に

恋をしていたんだろうか

金子さん

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可愛い系。チャラそうに見えて実は面倒見が良い入江君のメンター的存在。

僕も金子さんと飲みにいきたいです。

金子さんの名セリフ

誰かの事を考えて ニヤニヤしちゃったら・・・それが恋だよ

阿部さん

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同じアルバイト先に入ってきた元気系女子。モブ子の悩みを聞き、時に背中を押す良いキャラ。かき回しキャラと思いきや、時に核心をつく。

(僕は阿部ちゃんみたいな子とつきあいたいです)

 

阿部さんの名セリフ

本当に恋をしているのなら

「このまま」なんて甘い未来は

無いと思いますよ

 

「モブ子の恋」はココが違う

ハイ、記事の核心です。 結構内容にも触れているので予めご了承くださいまし。

 

この漫画、そもそもプロットがめっちゃめちゃシンプルなお話で、端的には男女二人が心の距離を一歩一歩詰めていくという物語なのです。

突き詰めると二人が互いを意識し、食事をし、グループで遊びに行き、デートし、告白して付き合い、名前で呼び合い、タメ口で話し、キスをする・・・これが1巻から最新巻7巻までのお話。これ以上でも以下でもない。マジで。

 

そして、何が他の漫画と違うかというとこのモブ子の恋は「引き算の法則」によって成り立っているところ。

これは自戒も込めて言うが物事はついあれもこれもと詰め込んでしまう。

比較対象、『俺物語』

俺物語!! 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

俺物語!! 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

 

僕の中ですっごい2010年代前半、って感じがする漫画『俺物語』。(いや、猛男もスナも大好きなんだけども。)

主人公である猛男の見た目のインパクトと純愛、そして親友スナの内面・外面のカッコよさで爆売れした漫画だが、こちらは足し算の法則で、色々な要素がてんこもり。

俺物語に限った話ではないが、主人公を好きなライバルが現れる、サブキャラクターの恋愛を長々と描く、ヒロインを好きになるライバルが出てくる、主要キャラが急に海外移住する、大事な日はだいたい大雨&嵐、等々、話を盛る、展開するための設定やキャラクターが登場してきて読んでいて途中結構しんどい部分がある。

 

対してモブ子の恋はそういった付加的要素がほぼ出てこない。その代わりモブ子と入江君の心情と行動をありったけリアルに丁寧に描写している。モブ子目線だけでなく入江君側からの目線での描写に裏返る事で、地味で奥手な「モブ男の恋」にも移行する。

この描きこみの一点こそがこの作品最大の武器。そして、素晴らしいのは、セリフで説明するのではでなく、カット割りや相対し方でその時の心情を描写していること。その最たる例が4巻の告白シーン。

 

モブ子が振り絞る勇気、つい立ち上がる入江君の驚きと呼応、横に座って話すコマ割りから正対するコマ割りへの移行。

漫画史上に残る告白シーンだと思う。一連の流れになっているので流石に画像貼れないけど、丁寧に読み解くとほんっとに感動するので必読。30歳の人は瞬間的に15歳若返れる。そして鏡を見て現実に戻ります。

 

改めて、語り口はモブ子よろしく「平凡」だが、その丁寧な作りこみと素直さが、一点突破し、この作品を「非凡」にしている。

過剰な演出、現実離れした脚本、必要以上に盛り上げようとする編集。バラエティのワイプ芸とか見る度に萎えるんだが、ありゃあほんとに誰得なんだろうね。

漫画にしても映画にしてもテレビにしても、そういったツクリモノには反応しなくなってる反面、僕たちは純粋で真摯なアティチュードに感動するようになっているのかもしれないね。

ぜひモブ子の恋を読んで忘れちまったあの頃の純情をちょこっとだけ思い出してくださいまし。そして切ない夢を見ればいい。

 

それでは今日はこの辺りでアディオス。

モブ子の恋 コミック 1-6巻セット

モブ子の恋 コミック 1-6巻セット

  • 作者:田村茜
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: コミック
 

 

 

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