ようこそ風沼へ。
今日じっくり書いていくのは藤井風。
彼は昨今豊作なシンガーソングライターの中にあって、令和に吹いた一番の大風だ。
何しろその人気は凄いの一言。持ち前の歌声、ピアノ、そして色気にやられて悶え死ぬ女子が後を絶たないという。アカン、このままじゃこの国の存亡に関わる。
そんな亡国の王子様、まだオリジナルアルバム1枚しかリリースしていないんだけど、あまりに好きになりすぎて、オススメ記事書いていく。初めて聴く人はぜひ。
前置きはいいよ!早く曲くれよ!という人は目次から飛んでどうぞ。
Who is Kaze Fujii?
Youtuber?
“Artist On The Rise” は、グローバル規模で実施するYouTube をきっかけに活躍する話題のアーティストを紹介するキャンペーンで、過去にはメルボルン出身のシンガーソングライター Tones and I 、ニューヨークのシンガーソングライター Maggie Rogersやアメリカ・ノースカロライナ出身のラッバー DaBabyらが参加引用:https://fujiikaze.com/news/1205/
Pianoman?
Reputation?
内田さんおはようございます。悶々として眠れないので大好きな藤井風さんの優しさをかけてほしいです!#BRIGTMORNING
— aiko official (@aiko_dochibi) April 9, 2020
俺が改まって説明するのがちょっと恥ずかしいぐらい、今めちゃくちゃ人気なんですよ。毎日そればっかり聴いていて。(中略)
もう全方位的にあらゆる意味で、神からのギフトが与えられまくっていて、俺すごく絶望するんですよ(笑)
By DJ松永 from Creepy Nuts
それではオススメしていく
きらり
聴き所&見所
①多彩なYaffleプロデュース。音数や使う楽器、構成もセンス有りすぎ
②CG、バイク、ダンスと新しい事に挑戦したMV
③韻の気持ちよさと核心をつく歌詞を両立
ちょっぴり解説
どれほど朽ち果てようと最後にゃ笑いたい
何のために戦おうとも動機は愛がいい
旅路
聴き所&見所
①イントロのスモーキーなドラムビート
②レトロでノスタルジックなMV
③ 聴き手に寄り添う懐の広い歌詞
ちょっぴり解説
この宇宙が教室なら隣同士学びは続く
優しさ
聴き所&見所
①2:53〜のシャウト
②ピアノに対して食い気味の歌のリズム
③ イントロの和音感
ちょっぴり解説
温もりに 触れたとき わたしは冷たくて優しさに 触れたとき わたしは小さくて
ちっぽけで からっぽで 何にも持ってない優しさに 触れるたび わたしは恥ずかしい
①4:15〜のスキャット
②深い低音、ファルセット、ウィスパー、フェイク等のスキルフルな歌唱法
③ MV・曲の躍動感、リズム
間違いなくライブで一番盛り上がる曲。岡山弁丸出しでいくスタイルに衝撃を受けた人も少なくないと思う。方言を使った歌詞って癖が強かったり、ローカル色が強過ぎて、イロモノっぽくなったりするんだけど、この王道感は何なんでしょうね、ホント。この曲はリズムと音程が命。何しろ譜割が難しい。ここに低音からファルセットからフェイクからこれでもかと言うほどにスキルを駆使して表現してる。何なん言いたいのはこっちや!!
あと、少し聴いただけでは何の事を言ってるのかようわからん歌詞。本人の解説によると「誰しもの中に存在する"Higher Self≒God"を探す」という壮大なテーマがあるとのこと。目に見えない大きな「何か」との対話する。その事で内なる自分の願いとか声に気づく、っていう事と解釈してる。明るい曲調と裏腹に聴き込みが必要な楽曲な事は間違いない。
ちなみに何なんwのスキャットを文字起こしすると、
「うーるぁぎりのブルースゥ バラベレン ベベ レべレン べベレン ババランバ」だ!
カラオケでは思いっきり巻き舌で歌え。そして絶望せよ。僕です
あれほど刻んだ後悔も くり返す毎日の中で かき消されていくのね真っさらになった決意を胸に あんたは堂々と また肥溜めへとダイブ
目を閉じてみて 心の耳すまして 優しい気持ちで
答えを聴いて もう歌わせないで 裏切りのブルース
さよならべイベ
聴き所&見所
①3:39〜のタメからのシャウト
②普遍性を持った「別れ」をテーマにした歌詞
③その割に明るい曲調とのギャップ
さよならがあんたに捧ぐ愛の言葉 わしかてずっと一緒におりたかったわ
別れはみんないつか通る道じゃんか だから涙は見せずに さよならべいべ
時間てこんな 冷たかったかな
もうええわ
聴き所&見所
①ドープなビートによる中・毒・性
②「解放・放棄」をテーマにした歌詞
③ Bボーイでホームレスな風さん
さぁ羽のばして ここから 捉われてばっか だったから行き詰った悦び手放す時は今 心軽くして これから自由に歩いて みたいなら すれ違った人だって過去だって怖くない
聴き所&見所
①ピアノとストリングスの極上のハーモニー
②歌詞(一言一句全て)
③ 「帰ろう」の歌い方のバリエーション
一番好き。人生でも3本の指に入る程大きな存在になってしまった曲。歌詞を目で追うだけで涙が出そうになるくらい重症患者ですよ、マジで。
「あらゆる物事への執着からの解放」、とりわけ「死」、言い換えれば「生命への執着からの脱却」をテーマにしてるのかなっていうのが、今のところの解釈。
最期の時、一つ一つ手放した荷物を手放していったら「裸の自分」と「愛」だけが残るのかなと。
そしてその歌を彩るピアノとストリングス。もうね、僕を昇天させる気ですかと?
それにしても「風」という単語を使って説得力が出るアーティストは絶対にいない。本人のキャラクターとの親和性を考えてもこれは絶対に意識して使っていそう。
こういう歌を聴くために新しい音楽を聴き続けていると言っても過言ではない、そんな歌。
ああ 全て与えて帰ろう ああ 何も持たずに帰ろう与えられるものこそ 与えられたもの ありがとう、って胸をはろう待ってるからさ、もう帰ろう 幸せ絶えぬ場所、帰ろう去り際の時に 何が持っていけるの 一つ一つ 荷物 手放そう憎み合いの果てに何が生まれるの わたし、わたしが先に 忘れよう
聴き所&見所
①90's前半味溢れるR&B/CityPopサウンドとしたMV
②「人生の無常」を「青春の病」から洞察した儚く普遍的な歌詞
③ Fメロまであるという多彩な編曲
「青春病」という曲は、
— Fujii Kaze (@FujiiKaze) November 7, 2020
Aメロ、B、C、D、E、Fメロまであります。
とっつき易いポップな聴き心地とクルクル変わる多彩なメロディーが両立するというなぜ成立しているか言語化できない奇跡のバランス。藤井風と最強の相性を誇るプロデューサーYaffleの超すごい仕事のなせる業って印象。ボーカルワークも絶妙な軽さと重厚さを持ち合わせてる。例えば「止まることなく走り続けてきた」の青字部分はスタッカートに歌ってて軽快な印象にしてし、「切れど切れど纏わりつく」はすっげー粘っこいし、この歌詞と歌い方の合わせってのは中々できるようでできない。
そして歌詞な。「青春最高!!イチドしかない今を楽しくぅ!」みたいな青春ソングありがちな箇所が微塵もない。「人生の無常」を「青春の病」という呪いから洞察している。
こんなままじゃ こんなままじゃ 僕はここで息絶える
とか言ってるしな。太宰かよ。単純な青春礼賛に終わらず、その呪いと儚さを歌う事で逆説的に「青春の煌めき」が際立つという素晴らしい構成。楽しい事、辛い事。様々な喜怒哀楽の絵の具を混ぜ合わせた「青春はどどめ色」なのだと強く再認識できる。
切れど切れど纏わりつく泥の渦に生きてる
この体は先も見えぬ熱を持て余してる
いかがだったろうか
おそらくだけど、数年以内に「世界」でブレイクすると予言しておく。
少なくともリアルタイムで聴いていた事が自慢になるアーティストなのは間違いない。
世界にその存在がバレた時、胸を張って堂々と「え?もうとっくにファンですけど?」って言ってやりましょう。
それではこの辺でアディオス。