ついに出た。
3日ぶりのウンコでは無い。
ここ最近で一番楽しみにしていたKing Gnuのファーストアルバムが、だ。
手に入れた時は全曲レビューするぜ!!と意気込んでみたものの、アルバムが深過ぎて僕の言語能力では書き表せねぇ、激浅ですすみません。
まぁでも完全に心を掻っ攫われてしまったのでぽちぽち書いていこうと思う。
King Gnuって誰やねんと言う人は以前こんな記事を書いたので読んで見て欲しい。
ざっくりインプレッション
嘘、欺瞞、喧騒、金、そして愛。様々な欲望に埋もれた「東京」という、世界でも稀有な混沌都市の闇夜に深く、深く潜水していくような、そんなアルバム。
なにこれ、ホント深淵なんだけど。
音楽的にはゴリラズのような気もするし、シガーロスのような気もするし、ロバートグラスパーのような気もするしでジャンル分け不能すぎて、、、本当にファースト?
デビューアルバムってもっと荒削りなんじゃ無いのか?
あまりの情報量の多さにクラクラしそうなアルバムで、ちょっとフェス受けする曲作ったろ、とかそんなのが一切無い。
それでは曲の方聴いていこう
1.Tokyo Rendez-Vous
満員電車の山手線で聞きたい曲ナンバー1。いや、やっぱり乗りたくないわ。
トウキョウランデヴーと読むこの曲はアルバムタイトル曲で、骨太なビートとベースのうねりが印象的。あと、イントロの「シャラン」音ね。(サンプラーで出してる音)
アルバム通して聴いてるとサビで、Vo1. 井口が上、そのオク下をVo2.の常田が歌うことで音に厚みが出てる、というか声の相性抜群やな。その分ミックスとか苦労してるんやろうなあ。
カオティックトーキョーを表現したPVとサイケデリックな音で何度も見てると脳がトリップし出すので注意が必要だ。
後、どっかでミッシェルを感じるのは声がちょっとチバさんに似ているからなんかな。
2.McDonald Romance
このバンドはオルタナだのなんだの言われているけれど、間違いなく言えるのは「ビートミュージック」だということだ。こんなにも美しいピアノの戦慄の裏には首を振ってしまうようなビートが鳴っている。
アルバムに変化をつけるなら、ピアノとボーカルの曲になっても全然良い流れだと思うんだ。でもそうではなく、アルバム全編を通してDr.勢喜のタメの効いたドラムがKing Gnuを支えているように思う。
多分RADのアルバムとかだったらピアノの弾き語りになってるんじゃないかな。
どっちがいいとか悪いとかでは無く、そういう風に作るんや!と言う明確な意図が伝わってくる。
3.あなたは蜃気楼
アルバム曲のキラーチューン。
特徴的なサビ「あーなたーは蜃気楼」ももちろん良いのだが、ブリッジ部分が一番好き。
生きることは大変で 歩いてりゃ誰か失って
それでも誰かのために生きたいって (偽善か?)
視線は関係ないぜ
この詩は核心ついてる。常田はんがメインで歌う部分は特に強い思いが込められてるように感じるのは自分が書いた歌詞だからかな?
ライブで盛り上がること請け合いの曲。
4.Vinyl
シングル最強のキラーチューン。
Mr. Kingブリーフこと井口理さんの快演のせいか、サウンド面はもちろんそのビジュアル面も最高としか言えねぇこの曲。
前の記事で散々書いたので省力するが、何度聴いても3:05からのギターと3:50のシャウトには脳から変な物質が出てるのを感じるし、一曲通して映画を見ているようなカタルシスを得られる。先日のJWAVEでのスタジオライブはこの曲が一番良かったので、いつか生で見られるのを楽しみにしている。
5.破裂 →6.ロウラブ→7.MIDNIGHT POOL
この3曲は特に繋がっているように感じたので一連の流れで書きたい。
Vinylで感情を爆発させた後、果てた後のまどろみに入り、レム睡眠で激しく夢を見て、ノンレム睡眠で深く潜っていく。そんなイメージ。
アルバム通して「蜃気楼」とか「幻」とか「夢」とか、そんな虚構に身を委ねる、そして脱却する。あるいはその狭間でたゆたう様子を表現しているように感じる。
真空管のガラスを叩き割って 這い出してゆく
身を投げ出すことさえ、吹き抜ける風と共に去りぬ
重みを取り戻す身体 それを取り戻してからさ
セックスする、時に自暴自棄になる、どうしようもなく何かを追い求める。
僕たちは「生の実感」を持ちにくい現代において、身体性を取り戻そうと必死なのかもしれない。
だからこそ、もがき続けるKing Gnuの音像にやられてしまうんだと思う。
8.サマーレイン ダイバー
アルバムで聴いて一番好きになったこの曲。
ほぼ唯一?ツインボーカルがハモっている。たまらなく気持ちいい。
全ての感情は雨粒と言う名の彼らが奏でる音が流してくれるので、身を委ねて「Dance Anyway」するだけだ。
ちなみにSrv. Vinci時代のPlastic Rainにも同じフレーズがある。
いかがだっただろうか
2017年どころか、もう平成も終わりに差し掛かったところで超ドープなバンドが出てきたもんやね。随所で、大衆迎合とかって言葉と一番遠くに離れた所にいるマジもんの「アーティスト」なんだと感じる。
きっと、このアルバムが売れる土壌は日本にはまだ無い。でも2040年にに聴いてもかっこいいアルバムなのは間違いない。
表現することを学ばせてもらいました、天晴れな必聴盤!
まだ未聴の人、あんたが羨ましいよ。記憶消してもっかい聴きたいくらいですわ。
今後も引き続き彼らの動向に注目していきたい。