やぁやぁ、ついに完結しましたな、アベンジャーズ。
結論から申し上げますが、ガチのガチで最高でした。
点数的には5億点です。
『スパイダーバース』で2019年最高傑作でてもうたわー!!とか思ってたけど、全MCU作品を追ってきた自分としては、積み上げてきた重みの差でエンドゲームでしたわ。
いや本当に3時間が「時間泥棒」されたレベルで早く感じたよな?行った人?
このエントリにはなんならもうネタバレしかないのでもし気にする人がいたら映画見てからまた戻ってきてくださいまし。
最高な6つの理由
1. 物語のプロットが王道かつ飽きさせない脚本であること
今作、大きく4パートに分けられる。
①サノスを探し出して殺すも、手遅れな事に気づき各自散っていく絶望の序盤
②スコット(アントマン)のアイデアにより、石を取り戻せる事が発覚。そっからのタイムトラベル&バディムービーの中盤
③取り戻した石で仲間を復活させ、サノスへのアベンジに挑む終盤
④戦いの後を描き物語を終わらせるためのフィナーレ
まさに、「起承転結」。物語の基本中の基本であり、王道。
『エヴァQ』の絶望に似た救われなさ(今は別の意味で絶望してる)で、前作あれほどの脅威だったサノス 君、なんと映画開始ほどなくして死にます。
館内が全員どうなるんだよコレ状態になってからの5年後、仲間を救えることがわかってからはインフィニティストーンを探すタイムトラベルものが始まる。まずはこのパートがめちゃくちゃ良かった。そこはかとない『Steins;Gate』感があったが、シュタゲは大好物なので、個人的にはOK。
正直、量子世界に入ったからってタイムトラベルはまだしも、なんでアスガルドやヴォーミアにワープできるのかは皆目分からないが、各チームに別れてからのバディムービー感が新鮮で、過去作を見直したくなる構成にしているのが◎。
後ほど語るが、最高のアッセンブルを見せてくれたバトルも当然欠かせない。やはりアベンジャーズがアベンジ(復讐)するという原点回帰をここで見せてくれたか!!!と嬉しくてしゃーなくなるし、その後の展開にも目が取れるほど涙が出た。館内のすすり泣きがもうね・・・
そしてラストのロゴな。社長の葬儀シーンと同じく、鐘が鳴ってやがる・・・
ほんと芸が細かい。
で、お決まりのエンドロール後のムービーがない事も、「あぁ、もうアベンジャーズほんまに終わりなんやな」って実感するエンドだった。
とにかく単調にならずに、ずーっと物語を楽しめた。こりゃ3時間必要な訳だわ。
シリーズを追った人のご褒美的なシーンの数々がそれぞれ愛おしい。
2. そこ拾う?という伏線回収の数々
僕みたいなオタク気質で、フヒヒって言いながら細かいところ見てる僕でもこの伏線回収の数々には参った。何しろ、前作どころか数作前の伏線をしかも各所で回収するのである。
一例挙げると、最後にキャップがソーのハンマー(ムジョルニア)を普通に使いこなすくだり。あそこは2作目にあたる『アベンジャーズ エイジオブウルトロン』で、キャップが打ち上げタイムにてピクッと動かす事ができるという伏線が張られていた。まさかその伏線使うかよ!!と驚きの伏線で、最後はキャップが雷まで使えちゃう。よくそこ拾ったなという具合である。
さらに、ソーは最後にムジョルニアを地球に置いて旅に出てしまう。これは王位を放棄するという事を意味しており、旅に出てしまう事とピッタリ重なってくるってのがまた憎い。戦いの最中からすでに出て行く事を暗示しているなんて、脚本力にただただ恐れ入る。
各映画が繋がりすぎていて、例えば『マイティ・ソー バトルロイヤル』を見ていないと、落ちぶれたソーを説得しに行ったのがなぜハルクなのかが全く分からないしな。そういう意味では入りづらいシリーズやなとも思う。
ちなみに今回一番好きな伏線回収はキャップの、"Avengers ASSEMBLE"
同じくエイジオブウルトロンで焦らされた"ASSEMBLE"をラストバトルのあの場面でキャップに言わせるかね・・・涙
わかるよな?わかれ。
3. それぞれのキャラを最大限立たせたバランス感覚
ここはもう監督を務めたルッソ兄弟のバランス感覚を激賞したい。
まず、インフィニティーウォ一で出番が無かった弓がうまい只の人ホークアイが物語のキーパーソンになっている。
ある時は闇堕ちし、またある時はナターシャとチームを組み、最も難しいミッションに挑んでみたり、命運を握るガントレットを守ってみたりとロキに操られた時以上の大活躍っぷり。
加えて、元泥棒に相応しい、只のイジラレネタ野郎のアントマンもこいつがいないとタイムトラベル自体が不可能だった事を考えるとある意味で最大殊勲賞である。前作一切出番が無かった二人にしっかり重要な役目を与えて前作とのバランスとるあたり、全方位のファンに抜かりないストーリーになってる。
タイムトラベル先でちょっとロキを出してみたり、まさかのポッツを参戦させて見せ場を用意させるとことか・・・背中合わせ共闘、最高にアガッたよ。
その分、あまりにも情報量多くてくらくらしちゃって全然追えてないので、ここは円盤が出たらゆっくり楽しみたいところではある。
4. 随所に散りばめたギャグパート
シリアスより楽しさを重視したガーディアンズの皆さんとアントマンはもちろんとして、ギャグに全振りした『マイティ・ソー バトルロイヤル』でその流れが確定したソー&ハルクペアのギャグなど、笑い要素も盛りだくさん。
シリアス路線でコケたDCとはやはりこのコミカルさを持ち合わせている差やなと再確認。
一番笑ったのはキャップがエレベーターで「ヘイル・ハイドラ」って囁くところな。あまりのチョロさに声出そうになった。
後ガーディアンズの神OPも第3者視点で観るとバカにしか見えないっていう笑いも非常に良かった。
5. 「サノス」という敵の魅力
これは前作含めての評価になるが、結構ヴィランがショボくなりがちなMCUにおいて強い信念を持った敵というのがまず良かった。サーガの最初の方のボスはしょうもないのが多いしな。
世界を半分にしてでも俺は宇宙の均衡を守る!という彼なりの矜持がこのキャラを魅力的にしていた。
強さもスケールのデカさも、後にも先にもサノス以上の敵は出てこないでしょう。 そんくらい素晴らしい敵だった。
『ブラックパンサー』のキルモンガー、映画ではないが『デアデビル』のキングピン、そしてこのサノスがMCUヴィラン3傑と言って良いのでは?
6. トニー(アイアンマン)とスティーブ(キャプテンアメリカ)の描き方が至高
長々と述べてきたが、ぶっちゃけこれに尽きる。
このMCUは間違いなく社長とキャップのダブル主役な訳で、この二人をどう描き切ってくれるのかが一番の肝だと僕は思う訳ですよ。そんな期待をはるかに超えたのが今作である。
まず、トニーについては今作で至高のツンデレキャラに仕上がっている。
スティーブとの仲直りシーンはついに預かっていた盾を返す!だけど抱き合って「俺が悪かった」などとウェットになるのではなく、サラっと雪溶け。ただし嫌味も交えつつ。ここが特にイイ!!
みんなからタイムマシン作りを説得された時だって、きっぱり断りながらも師弟関係にあったピーター(スパイディ)の事を忘れきれていない描写があったりと、実は優しい社長がよーーーく描かれていた。日本よ、これが真のおっさんずラブだ!
後は映画史に残る名シーンとなったであろう、最後の"I am Iron Man"はトニーの表情といい、抜きのショットといい、文脈といい、心の底から感動した。
『アイアンマン』、そして『アイアンマン3』のラストで"I am Iron Man"で締めていた意味合いの変遷が素晴らしい。正体のネタバラシに過ぎなかった「私がアイアンマンさ」くらいの意味合いから、真のヒーローとなるエンドゲームまでの社長の成長にもう涙するしかない。ド欠陥クズ野郎だったのに・・・ここは妄想だが、トニー・スターク役を務めたロバート・ダウニーJr.にとってもアイアンマンは特別な役であるし、そういう意味でも本人の気合いが120%込められた、「俺がアイアンマンじゃい」というメタ的な意味合いも込められてそうだ。
さらにもう一つ僕が嬉しかったのが、最後は「ガジェットによって勝利した」という点にある。『アイアンマン』でとにかくモノ作りがカッコよかった点が、シリーズを追うごとに道具より超人パワーが優っていたんだけども、今作の勝因は社長が作ったガントレットによって、インフィニティストーンを奪えたという点にある。ここが原点回帰であり、個人的激シブポイントでした。
スティーブについては心の底から幸せになってくれてありがとうだったよ。
国家崩壊後すらも、グリーフケアというか自己啓発セミナー講師みたいな立場で人助けしてやがる。そんな人のため、国家のため、そして正義のために尽くしてきたキャップが戦いの後、ついについについに「自分のために生きてみようと思ったんだ」と、人間宣言。過去に止まり、おじいちゃんになったラストはもうジーンと来てしまって・・・
映画のラストがペギーとのキスシーンで終わるのは心の底から納得ですわ。しかも何十年越しのキスで掛かってるBGMが"It's Been A Long, Long Time"って何重の意味になっとるんやと。巧妙にも程が有る。
サム(ファルコン)に盾を継承するシーンも良かったしな。
後は初期メンである社長・キャップ・ソーのビッグ3によるVSサノス戦も見せてくれた。正に、見たかったのはコレ!
まぁ強いて言えばハルクスマッシュをしっかり見せて欲しかった気もするが・・・しゃーない。
こんな感じで、どこまでも愛を感じられる描き方をしてくれてありがとうと感謝が止まらない。
どっかのゲームクリエイターのように「キャラクターはファンクションである」なんて言ってる奴には絶対できないことだと思います。
以下、評価を下げるってほどではないが、ちょい気になった3点。
1. ローニン問題
まず、我らがラストサムライこと、真田広之はマジでカッコ良かった。殺陣は華麗だし役者そのものに華があるなぁとすげぇ感じた。ソーの仲間だった浅野忠信に続き二人目?の日本人俳優出演だったってところまでは良いんだけど、クリントの日本語一切聞き取れませんでした。なんか下手な日本語ってレベルじゃ無かった気がしたんだが・・・ホークアイがダークヒーローに堕ちて、ローニンとして暗躍を続けてたってくだりが必要なのはわかるんだが、あまり後々この設定が活きて無かったのは残念。
最後も結局弓使ってたしな!上映時のこれ言うほどTOKYOか?感も相まって場内の空気が若干変な空気になってた。ん?ん?って。
まぁこれは日本独自の問題か。
2. キャプテンマーベル強すぎ問題
これも難癖つけてるだけなんだけどさ・・・もう君一人で宇宙救えるよね?ってレベル。映画でも強さの秘密は事故によるものとしか説明されてないから、もうただただ強いっていうことで納得するけどさ。宇宙空間も移動も無問題で生きてられるのもどういうことよ!?
冒頭の「社長どうやって救われるんだ・・・まさかここで隠しガジェット登場か!?登場しちゃうのかー!!」と思った俺の期待を裏切るまさかのキャプマー姐さんの「自走」!えぇぇぇ・・・って少し言っちゃったわ。すまん隣のにいちゃん。
最後の無双っぷりも「やはり君一人で良いんじゃないかな・・・?」ってなるほど強かったしな。ただの人間であるところのホークアイとの戦力差は歴然。ヤジロベーとベジットくらいの力の差がある。
インフレを極みめると碌なことにならんのは各種名作漫画が証明してるんで、ほどほどにしといた方がよろしいのでは?
3. やはりポリコレか・・・問題
これだけは声を大にして言いたい。
「無理に」映画にポリコレ持ち込むのやめません?
いや、良いんですよ。女性の活躍とか黒人運動の勃興のメッセージを入れるのは・・・そこに必然性があればな!!
何を怒っているかと言うと、最終バトルで謎の女性キャラアッセンブルによって道を切り拓く描写があったとこを言っておりまして、そこがあまりにも不自然で、え?流れと関係無くね?ってなって、むしろ違和感しか抱かないんですけど?ってなったところを指しております。
そういった意味で『ブラックパンサー』の政治的メッセージの包含はむしろ無いといけないと思うし、映画内におけるワカンダの歴史と、我々がいる現実(アフリカ)の対比それ自体が問題提起となっており、ブラックカルチャーのルーツに迫る映画となっているからこそあの映画は大傑作であったし、あれだけのヒットを飛ばしたと考える訳。なのに今作はそれ関係無く、キャップと社長ばっかり活躍させたらうるさ方からなんか言われるかも?と言う配慮がちょっと透けてしまって嫌だった。
いいじゃないですか、キャプテンマーベル っていうチートキャラが女性だし、そこはバランス取れてるでしょ。『クレイジーリッチ』、『オーシャンズ8』とか色々世相を反映するような映画はそれはそれとして良いんだから、全てに配慮持ち込まなくっても・・・
以上、終了
まぁ他にも音楽が良かったとかバトル描写が最高とか良かったところは無限に思いつくのだが、このまま書き続けると僕のGWがリアルに終わりそうなのでこれくらいにしておく。
おかげ様で平成を完結させてもらった感すらある。
良い意味でお腹いっぱいになれた幸せなMCUのエンドゲームでございました。
令和もよろしく!
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