みんな大好きアルフォートのCMソングとして書き下ろされた一曲。いやーブルボン党としては正直上がったよね。King Gnu→好き、ブルボン→好き。何?イチゴと大福合わせてみたらより美味しくなりました的な?そんなノリですか、ソニーミュージックさん。
そして、ついに来た。来てしまいました、ラブソングが。「どんな夢を見にいこうか」と歌った飛行艇とはうって変わって今度は切ない恋愛模様を描いた楽曲となっている。
良い音で聴けてないので、まだ印象が変わりそう。でもちょっと聞いた限り、アコギとサンプラーの音が目立つけど、この曲を〆てるのは間違いなくDr. 勢喜のドラムだ。こんなにリムショットが印象的な曲はMcDonald Romance以来じゃなかろうか。ビート感はかなりHIPHOP寄り。サビ終わりのAメロのビートだけしっかり聴いてみてほしい。「ドタッッ パァン ドドッド ツパァン」ていうすっげーオールドスクールビートがなってる。文字にするとめちゃめちゃバカっぽいがビートは最高にクール。伝われ。そしてビートの空白を楽しめ。
そしてこの黒いビートに乗る歌が、切ない恋の空模様ってんだからそりゃ斬新。こんな恋愛ソングは超稀有ですよ奥さん。つまり、楽曲の狂暴さに乗るのが切ない歌ってのが今回の肝。希代の策士、令和の諸葛孔明こと常田大希の今回の計略を感じる。
で、歌詞について。
すぐわかるのはこの曲の歌詞男目線と女目線での二重構造になってるってこと。
どこで目線が変わるかってのは結構単純で、井口ボーカル部分は女性、常田ボーカル部分は男性ってな具合。歌詞の内容もさることながらVo.井口のボーカリゼーションはかなり女性に寄せてる。キーも激高いしな。
さよなら ハイになったふりしたって
心模様は 土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?
あれこれ 不安になったって
どうしようもない 運命でしょ?
曇りガラス越しのあなたには
もう何も届いちゃいない
この箇所、あえて曇りガラスという天気と掛けたワードを選んだのがまずポイント高い。あなたは去ってしまう、物理的にも精神的にも。厚い「曇」で隔てられた二人がサビ一発でわかる。ジャケットの女の子が傘を2本持ってる事も物理的に傘を渡してあげるっていう優しさと、雨降りの心模様に傘をさしたいっていう願いを暗示しているものになってる。よく映画や小説で天気がキャラクターの心理描写をすることがあるけど、まさにこの状態。
そして、4回サビが繰り返される内の後半2回は、
もう何も届いちゃいないんだ
と、歌詞と心情が変わっており、少し自暴自棄にあるいはそう思い込もうとしている節さえある。Vo.井口にこの部分ファルセットシャウトで表現させてるとこからも、かなり強い気持ちが込められてる事がわかる。こういう、歌詞と歌唱法をきっちりリンクさせてストーリーを作り込んでくるところとか細かいけど、ほんと緻密で頭が下がる。こういうディテールの積み重ねが今のヌー人気を支えてるんだと思う。
で、今回僕が「ファッ!?」っと二度見、いや二度聴きしたのがこの箇所。
もっと話したいんだ
もっと近づきたいんだ
遠くで眺めていたくは無いよな
どんな時だって
繋いだ手確かめた 確かに僕らここにいたのさ
オイオイオイ、UVERworldかよ。DAIKI∞なのか?そうなのか?
こんな露骨な歌詞は割と避けてたし、照れるタイプと思ってたけど、モードが変わったのかもしれんな。アレやな、普段シャイっぽい男前に急にこんな事言われたら落ちるよな。お姉さん方、今回の鼻血2Lポイントはこちらです。This is real GAP!ヤンキー子犬理論。
あと気に入ったのはこの表現。
ガラス片を避けながら直行直帰の毎日さ
ここで言うガラス片が何の事かわかるだろうか・・・?
そう、おそらくスマホの事だ。東京の街を、人混みをかき分けて進む情景を常田氏が表現すると「ガラス片を避けながら直行直帰」となる。これは素敵。
そして曲のシメ。最後にどう考えてもわかんないフレーズがある。
結局は愛がどうとか分からないよ いまだに
そう言い放った自分の頼りない背中を見た
自分の背中を見た・・・?「背中を見せる」と言う表現は使うけど「見た」はどういう事なんだろうか。
こっからは完全に妄想なんだがこの「傘」における「女」はジャケットのジブリっぽい女の子ではなく、激情型で思い込みの激しい割とどうしようも無いけど美人な女で、男の方はまっすぐ理想に突き進んじゃう系の真面目男子(年下)、って感じのイメージだ。で散々ぶちまけた後、女が我にかえって「客観的に自分を俯瞰して見た」っていう意味なのかなと解釈した。だとすれば、男性と女性のそれぞれの思いが乖離しているのにも説明がつくかなと。
この辺りは解釈が分かれるところなので、作られるかはわかんないけどアルフォート食いながらMVを座して待ちたい。また楽しみが増えた。
それでは今日はこんなところで。