初めて行ったライブは関西の夏フェス、ラッシュボールだった。
大学から都会に出てきて、チケットの取り方もわからない坊やだった僕だが、「BUMP OF CHICKENのライブに行きたい」、その一念でドキドキしながら一つ一つ準備していった事を覚えている。今思えば人に聞けば良かったし、今は亡きmixiも機能していたけど、ソロ参戦を選択。音楽が好きな友達もいなかったし、むしろ一人で良いと思ってた。俺は純粋に音楽を楽しみに行くんだ、断じて出会いや酒なんて求めてない。そう斜に構えた自分がカッコいいと思っていた。
フェスの醍醐味、目当て以外のバンドとの出会いもあった。念願のバンプは当然良かったんだけど、その後何度もライブに足を運ぶ事になる最強にカッコよくて渋いバンドのライブを見れたのは初参戦としては幸運だった。知ってるかな?the band apartっていうんだけどさ。
受付で巻くリストバンドで「あぁ、俺はフェスに来たんだな」という気分になり、無駄に高いタオルとTシャツをお布施として買い、後日巻いたリストバンドを外した時にできる日焼け跡を見てはニヤニヤしたもんだった。Tシャツは後にパジャマになった。
上々の初体験で脱チェリー(ライブ)に気をよくした僕は、その後もフェスに行き、気に入ったアーティストのワンマンに行くのをルーティンにした。
ひたちなかのロッキンジャパン、つま恋のap bank fes、宇治の京都大作戦、石狩のライジングロックフェス・・・大小様々なフェス巡りをする俺ってカッケー状態で、ここら辺から音楽を聴きたいのか、フェスを巡りたいのかが段々わからなくなる。そしてレキシと電気グルーヴの最強さに気づく。
洋楽も聴くようになり定番のサマソニ&フジロックにも行った。
サマソニは何度も行った。都市型フェスってすごい。ちょっと電車とバスに乗ればすぐに世界的アーティストのライブが見れちゃう。これって本当にすごい事よね。とか言いつつ、GAGA様とニーヨを蹴ってなぜかRHYMESTERを見に行った記憶がある。
フジロックは兵庫からバイクで行った。名古屋まで行って中央道通って、新潟の苗場まで行ったんだけど、長野がデカすぎて、一生出れないと思った。途中でバイク捨てようと5回は思ったのを覚えてる。一緒にMy Bloody Valentineを見た、名も知らぬ人とギネスで乾杯したのは一生忘れない。連絡先も、名前すら聞かなかったけど、多分それで良かった。
ワンマンもあちこち回った。Telephonesとかよく行ったな、ディスコディスコ叫んでさ。ミスチルは何回も行ったけど会場デカすぎるしな、桜井さんが豆粒にしか見えないんだこれが。(スクリーンより実物見たい派)
え?今のところの生涯ベスト?そりゃあDaft Punkですよ。全身の血が沸騰した。圧巻だった。
社会人になってからはビルボードライブにハマって、ブラックミュージックこそが至高と疑わなくなった。またArrested Development見たいな。
そうだ、海外のフェスも死ぬまでに行きたいと思い立ってベルギーのTomorrowlandも行ったんだった。映画に出てきそうな上裸のあんちゃんと水着のおねえちゃんがいる現実離れした空間で、国旗持ってバスタオルみたいにまとってたらかなり話しかけられた。中でも超男前のピーターソン君はおもしろ外人だった。
P:Oh〜ジャポネーゼ、ワタシニホンゴベンキョウシテマース、コニチハー!
僕:オー、アリガートー♪
P:ニンジャー、サムラーイ!
僕:ヤーヤー!ゲイシャーフジヤーマ!
P:ニーハオ!ニーハオ!
僕:ヤーヤー!ホワッチャー、アター!!ブルースリー!(謎)
P:HaHa,You ファニーメーン。
おもしろ外人は僕でした。
あぁぁぁぁぁライブ行きてぇなぁ。コロナじゃなけりゃあなぁ。
チケット発行手数料高ぇんだよとか、次のバンドのセッティング長ぇんだよとか、腰痛ぇんだよとか、物販並び過ぎだろとか文句言いたい。
だけど結局アーティストのパフォーマンスにやられてすべてを許して帰りたい。
演る側は比喩じゃなく命削ってる。目には見えないけど、生命エネルギーというか生の波動というか放射というか・・・絶対出てる。それに充てられて、観る側は感動する。
そんなアーティストの熱を、何の気兼ねも無く、汗流して、大声でワーワー歌って、奏でられる音楽に浸って、最高の気分になって楽しむ。
そんな時代が果たして戻ってくるのだろうか。
オンライン配信も良いんだけどね。ライブとは別もんだね。
簡単すぎて、快適すぎて、ストーリーが無いんだよね。
次ライブ行ったら普通に泣いちゃうかもな。
みんなで歌って、踊って、笑って、泣いて。そんな、自然に音楽を楽しめる日を心待ちにしている。
ただ、ひたすらライブに行きたい。