僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

『コントが始まる』の視聴率が低い理由がわかった

 

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はじめに言っておくが、僕は『コントが始まる』を毎週楽しみに見てるし最後まで追うつもりで観てる歴の浅い菅田将暉ファンだよ。

視聴率がイマイチらしいんだけど、第5話を見ていて、「あぁこの作りは視聴率伸びんな・・・」と思ったので言葉にしていきたい。

 

※かなり脚本の話をしてるのでネタバレしたくない方はご注意を。

 

約束された成功かと思いきや

さて、このドラマ観てる?

 大ヒットの記憶も新しい『花束みたいな恋をした』麦君と絹ちゃんのキャストがそのまま引き継がれる形での菅田将暉&有村架純。二人の愛らしくも切なく刺さる一連のやり取りをもう一回見てぇ!あいつらに会いてぇ!!っていう僕みたいな奴はついチェックしちゃうだろうし、お笑いを、とりわけダウンタウンをこよなく愛しリスペクトしている彼がお笑いを題材にした作品に関わるなら絶対観る!みたいなファンも多いと思う。

 

加えて、シン・シンジ君こと神木隆之介や去年くらいから急に見る機会が増えた仲野太賀らとの化学反応も期待しかない。

しかも主題歌はあいみょん!!座組的にはこれ覇権確定ですよコレェ!

 

・・・と思っていたのだが。

 

丁寧でリアルな脚本が故に

『コントが始まる』(コントがはじまる)は、2021年4月17日から日本テレビ系「土曜ドラマ」で放送されているテレビドラマ。主演は菅田将暉。金子茂樹のオリジナル脚本による5人の若者の生き様を描いた群像劇。

Wikipediaより

 

Wikiにあるように所謂「群像劇」としてお話が進む。

それぞれに色々と抱えた、マクベスと中浜姉妹の5人の背景や内面、そして直面する課題を、サカナクションもびっくりするほど丁寧に丁寧に描いている。

ドラマの最初に演じられるコントが実はお話のコアを反映しているという作りも良い。

 

ただ、主役の春斗を中心にそれぞれのキャラクターの短編ストーリーが同時に展開していく話運びなんだけど、とにかくリアル過ぎて重い

 

重いといっても戦争や人の生き死に的な重さではなく、誰にでも起こりうるレベルの、「想像ついちゃう、自分に置き換えちゃえる重さ」である。

 

一向に3人には売れる気配も無ぇし、喧嘩は絶えねぇし。

春斗はただの超神経質でキレやすいアラサー男子にしか見えねぇし、潤平は一番現実をわかっててピエロ演じててキツイし、瞬ちゃんはキツイ家庭環境で母は亡くすしで幸せになって欲しすぎるし。

お姉ちゃんはブラック企業で働き過ぎた真面目ながんばり屋さんだし、妹は密かに何者かにはなりたいけど現実と理想のギャップの中をもがいてるのが自分に刺さって痛ぇし。

自分的には特に潤平と妹が格別にキツイ。

 

『コントが始まる』と聞いたら、色んな葛藤はあれど、お笑いに関するなんかしらのサクセスストーリーを描いていくんだと思うじゃないですか、正直。

タイトル的にはスカッと笑えて、時に泣いて、また笑って・・・みたいなドラマと想像するじゃないですか。で、菅田君演じる主役は何かしらの天才で、的な。

 

そのタイトルに釣られて観ると5話時点でまだ仕事としてのお笑いでの成功体験ほぼゼロ。零。0。

お兄ちゃんが部屋から出てきてくれるくだりやしゅんちゃんが母親と和解するくだりも「良かったなぁ・・・ホロリ」とはなるんだけど、結局現実はクソだし売れねぇ芸人のままだしな。

 

あと、そもそものコントがクスっとくる程度。(多分狙ってるんだと思うけど)

お話やキャラ描写は現実ズゥゥゥゥンって感じだし、視聴者は少なからず自分の状況をキャラクターに投影して観るのでそりゃあキツイよねと。

コメディを期待して、軽い笑いを求めて見始めた層は、リアルでシリアスな数話を観て、「あ、そういうの求めてないっす」って感じで切っちゃった人も多いんだと思う。

これから前フリが回収されるとしても・・・だ。

 

去年の半沢があれだけリアルから外れ、顔芸満載の歌舞伎だったにも関わらずあれだけ人気が出た事を考えると、人は必ずしもリアルを見つめなおしたいからドラマを観てる訳ではないのよね。

実際ジェットコースター的な面白さがあったし、実際カタルシスもあったしね!

 

結論としては「視聴者が求めていたもの」と「リアルにそして丁寧に描く」という作りて達の矜持が絶妙にかみ合ってないが故のイマイチ視聴率なのかなと思ってる。

映画だったら良いんだけどね、一気に観れるから。

毎週観るドラマはもうちょい小出しでご褒美的な成功というか「小カタルシス」が無いとそりゃ視聴者も爽快感欲しくなる。

いかがだったろうか

一つ気になる点を挙げるとすれば、大事な主役である春斗のキャラ造形ね。王道で昭和的と言われるかもしれないけど、やっぱ主役って愛されないといけないと思うんですよね。

今のところ、菅田君の演技がうまくて妙にリアルが故に全然春斗を好きになれない。

大体の原因お前のコミュニケーション不足やんけ!!あと色々と気にしすぎやろ!!って突っ込みたくなりすぎるし好きになる要素が少ない。

 

この辺り、これだけリアルに描き、追い詰められている状況・そしてキャラクターをどう説得力ある大逆転をさせていくのかってとこにかかってる。

ってかむしろそこだけを楽しみにしてこのドラマを観ているまである。何度も言うが話運びはめちゃめちゃ上手なんすよ、マクベスと中浜姉妹の解散が連動してたりとかね。セリフはグッとくるし、演技は良いしクスっと来る瞬間はめちゃくちゃ多いし、話も好きなんですよ、マジで!!

マクベスは一体どうなっていくのか。今後どう「前フリ」を回収し、大きなカタルシスを味あわせてくれるのか、を楽しみに毎週観ていきたい。

 

 

それではアディオス。

 

 

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