コロナ禍も、はや2年の歳月が流れようとしている。
今年は波物語やフジロックなどネガティブな意味で音楽業界が取り上げられる事も多かったが、少しずつ業界自体が新しいエンターテインメントの形を模索し、所謂ニューノーマルに向けて進んでいる。
オンラインの配信も増えたし、実際に何度かライブにも足を運んだが、厳戒態勢で臨むスタッフの皆様には本当に頭が下がる思いだ。
そんな折、ふと感じた。
興業としての音楽は戻りつつあるけど、カラオケとかストリートミュージックで聴く歌はまだ僕の日常には戻ってないなと。
つまり素人の歌な訳ですが、何故だか無性~~~に聴きたくなった。
まずもってカラオケに行く機会が減ったよね。一人では行こうと思えば行けるけど友達は誘いづらい。
職場とかカラオケのオフ会とかもゼロになったから、そこまで仲良い訳じゃないけどうっかりカラオケに行ったらめちゃめちゃ上手いし趣味も合った、みたいな事は起こりえない。
体感だがストリートミュージシャンもかなり減った。大阪の街を歩いているとカバーからオリジナル、ド素人のカラオケからプロ顔負けのレベルまで色々耳にしたけど、めっきり減った。
知ってる?Vaundyとかちょっと前まで路上で歌ってたんよ?
今って申請とかいるのかね?わからないけども歌うという行為が飛沫と不可分なだけに世間の目的にも厳しくはなっているに違いない。
当たり前だけど、興行としての催し=ライブはその業界の人からしたら死活問題である訳で、そりゃあ必至で解決策も探すし実際に動くよね。
けど、無くても別に死ぬ訳じゃないものは戻らない。そしてそんな要らないものこそが実は大切だったんじゃないかと最近思い始めてる。
友達の下手クソなブルハ、うるせーだけの睡蓮花、上司の「味がある」ワインレッドの心や、数回話しただけの後輩の超上手いマリーゴールド、梅田の路上で見かけたセプテンバーさんや歌詞が無駄に説教臭いオリジナル曲。すべて結構なクリアさで思い出せちゃう。
いつか愛すべき素人の歌が戻ってくる未来があると信じたい。
それではアデュー。