唐突ですが、藤井風というアーティストの独自性って何だと思います?
ピアノ?声?それとも顔?チャーミングな性格?
僕は「スピリチュアル」な事だと思っている。「精神性」と言い換えてもいい。
ピアノも歌もメロディも容姿も、どれをとっても独自性の塊なのは重々承知なのだが、この「黄金の精神」だけは他に類を見ない彼だけの特性だと思う。
ただただ上手な歌や演奏よりも大切なのは、アーティストの心、美学、信条、情熱。
何を、どんな熱量で伝えたいのかというアーティシズムこそが人の心を動かす。綺麗事を言うようだが、これはマジ。藤井風の新曲”grace”はそんな彼の精神性が極まるとこまできたなって印象。
色々と書いていく。
インドと藤井風
釈迦を生んだ国、インド。
ガンジス、タージマハール、アーユルヴェーダ…カ、カレー。
インドと聞いて思い浮かぶ単語の貧相さに自分で絶句するわ。同じアジアとはいえ日常的に馴染みはそこまででも・・・という感じではあるのだがインドに藤井風が訪れ、MVまで撮影されたとの事であればこれは一大事。今後の彼のリリース曲にもインド的な思想が反映される可能性大だし、前から感じていた彼の根底を流れる哲学や死生観、そして”HELP EVER HURT NEVER”&”LOVE ALL SERVE ALL”の源流を訪ねたというのが自分の理解。"hometown of my soul"って本人も言ってるしね。
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そもそもこの2つはインドの宗教指導者であるサティヤ・サイ・ババの言葉だ。
それこそ”LOVE ALL SERVE ALL”というフレーズには実は前段があって“The best way to love God is to love all; serve all”という「神を愛する最良の方法はすべてを愛し、奉仕することである」というメッセージによるものらしい。*1
藤井風の歌詞から発せられるメッセージは特定の宗教における教義に限定されていないもののGod≒ハイヤーセルフを愛するという概念は繰り返しこのブログでも書いてきたところだ。
例えばゴスペルでは”Jesus”という言葉が多用されたりして、キリスト教色が強かったりするんだけどそれともちょっと違うのよね~前々からイエス様の見た目しつつお釈迦様っぽい考え方だなぁと思ってたけども。
「リアル聖☆お兄さん」って呼んだら怒られますかね?
まぁゴスペル調の曲もあれば輪廻転生っぽい仏教の歌詞が入ってきたり、彼独自の哲学がメッセージに反映されているってのが、風楽曲の面白いところ。
MVにおいても自然体でインドに溶け込んでいる姿が印象的。この顔見りゃあ精神的に満たされてるんだろうなってわかるよね。
歌詞について
『死ぬのがいいわ』だったり『damn』だったり一見恋愛の歌詞に見せて実は・・・ということすらない。ただただ直球でハイヤーセルフと愛を歌った楽曲。
一番響いた好きな歌詞は歌い方込みで
ただいま朝日 おかえり夕日
やっと共に 廻り始める
このフレーズを聴くたびに僕はゲル化し、気体となって空へと飛んでいきます。あそこが三途の川ですかね?あ、ガンジスか。
あと同じメロの
待たせてごめん いつもありがと
会いにいくよ 一つになろう
もそうですね、ええ。このフレーズを聴くたび僕はゲル化し(もういい
なんかさ、「待たせてごめん、いつもありがと」とかさ小学生でも言えるセリフな訳ですよ、なのになんでこんな響くんすかね?ひいき目なだけなんですかね、マジで意味がわかりません。
そうだ、抑えるべき前提はdocomoとのタイアップソング、しかもfuture projectと銘打って学生による監督作品とのコラボソングってとこ。
「全てのひとに、才能がある。」という素敵なテーマにインスパイアされて、また一つ大切な曲が完成いたしました。“grace”は、ここでは「恵み」のような意味で使っています。日々移ろいゆく世の中ですが、起こることは全て自分たちをより良い方向へ導いてくれるgrace(恵み)だと信じて、光り輝くことをあきらめないでいただきたいです。
だって僕たち一人一人の中には等しく無限の愛が、光が、可能性が、graceが宿っているからです。それを抑え込もうとするバリアがあるなら、これを機に一緒に解き放ちましょう。grace!
―― 藤井 風
素敵。もはや解説なんていらんよな。
しっかしこの歌詞ティーンに伝わってるんかね。
一見易しい言葉で歌われてはいるが、仕事のしがらみやら家族のしがらみやら人生をあれこれ悩みぬいて生き抜いてきた人にこそ沁みてしまう歌詞だと思うんですけどmore・・・あえてそれをティーンの企画にぶつけていくってのが最高じゃないか。
KAZE THEATER作品について、まだ僕も全部はチェックしきれていないがかなり観た。ぜひ色々とチェックしてほしいんだけど「青空トランペット」なんて中学生が頑張っている。脚本も真っ直ぐ胸を打つものだった。
僕の中学生時代なんて逆に「映さないでくれぇぇ頼むぅぅ」と涙ながらに懇願してるようなもんだけどほんとすごい。「できるかできないかじゃねぇ、やるかやらないかなんだ」と才能に溢れた若者の背中を押す企画!タイトルにも書いたが、僕らの中には光り輝く恵みがあってそれを讃美し、肯定する人間賛歌がこの『grace』であると強く思う。そんな企画。
藤井風にしか書けん、歌えん。
いかがだったろうか
いやー溶けた溶けた。
一方で、LASA以降その光に浄化され続けているので、たまにはダーク風であったり俗っぽい風に振り切ってほしいと思うのはわがままでしょうか。
さて、これを書いているのは10月14日、そして明日は藤井風の秋まつり@パナスタ。
みんなでインドダンスを踊り狂うのを楽しみにしている。
それではアディオオオオス。