僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE 2022 10/15 ライブレポート(後編)

 

こちらの続きです↓

 

セットリスト

1.何なんw

2.damn

3.へでもねーよ

4.ガーデン

5.やば。

6.優しさ

7.grace

8.帰ろう

9.さよならべいべ

10.ロンリーラプソディ ( ↓ココから↓)

11.それでは、

12.“青春病”

13.死ぬのがいいわ

14.燃えよ

15.きらり

16.まつり

17.旅路

全曲感想

10.ロンリーラプソディ

『さよならべいべ』演奏直後赤ちゃんが泣きだしてしまうも「疲れたじゃろう」と寄り添う風氏。パナスタに一抹の平和が訪れる。撫でたらニコニコ笑顔になるんじゃないかくらいのオーラがあるな、うん。

場面が切り替わり、バンドメンバーは退場し一人ステージに残り中央ピアノへとセット。そして始まる圧倒的なピアノソロ、それも一切のポップさはないクラシカル、そして迫力と繊細さを持ち合わせた演奏。時間としてはかなり長いソロで、体感3分くらいは弾いていたような気がするけど、永遠に聴いていたかった。

で、絶対『死ぬのがいいわ』くるなと確信。前のライブでも観た動⇒静の流れで、なるほどここで持ってくるかと一人で早合点していたら…あれ?違う?

そう、『ロンリーラプソディ』のイントロへとシームレスに繋がっていく。そして聴きなれたメロトロンの音とビートが重なり曲が完全体となった時のカタルシスたるや・・・またも裏切られた。そっちかーーー!だから演出としても「ロンリー」になって演奏したのね。

サビ前では「Negativeなモン全部吐き出してぇ~」と風セラピーも有り。そうか、曲中の呼吸はこういう意味だったのね。

他にもアルバムレビュー時によくわからなかった曲の意味が不思議なほどにスッと入ってきた。どうしても孤独を憂う曲というイメージが抜けなくって、曲の前半で「僕は僕だよ」がなぜ「僕は君だよ」に変わるのかの意味もわからなかったんだけど、なんとなくわかった。うまく説明はできないんだが、

みんな「一人」だけどみんな「一つ」なんだから「僕は僕」だし「僕は君」

⇒だから「孤独なんて幻想」だから「気にしなきゃいい」「楽しめばいい」

⇒孤独じゃないからロンリーラプソディ(孤独の歌・狂詩曲)は「もう歌えない」し「もう聴こえない」。

というような解釈に落ち着いた。また変わるかもしらんけどね。100回音源聴いても分からなかったのに生って凄い。

 

11.それでは、

本日の個人的最号泣ポイント。『ロンリーラプソディ』からの流れも劇的すぎた。

それまでは「ほろり」くらいだったが、『それでは、』については鼻をすするレベルの号泣。
まず曲の聴き所としてはイントロのピアノ演奏と第1声目。生で聴くグランドピアノの豊かな演奏はまるで自分が映画の中の物語にいると錯覚させられる程。そしてピアノに着地する「あたたかな」の第1声。これだけでチケット代の元が取れる。あらためてピアノという楽器の偉大さについて気づくね。モブだとしても構わない。そうだ、僕らは藤井風という壮大な物語絵巻のワンシーンに立ち会っているのか・・・なんて事を考えながら曲が進行していく。

そして最終局面、大サビ後のファルセットに切り替わった場面で大粒の涙が…歌詞に揺さぶられてというよりは表現力に揺さぶられたかな。
そんな激しさの後の「抜き」。いつもGAPにやられてしまうが、もはや心の琴線に触れるどころじゃない。糸がびよんびよんになるくらい震えてしまったよ。

この曲についてはMV作るなら短編でも映画撮って欲しいと心から思ってる。

12.“青春病”

一人でグスグス言っていると聴きなれたあのイントロが・・・ちょい待ってこの曲はぜひヤフさんと演ってほしいぃ!!と思ってたらバンドメンバーが戻ってきた。難産であったこの曲をフルバンドで聴ける事がまずありがたや。
実はこちらも曲の理解が相当に深まった。というより解釈の幅が広がった、というべきか。
当ブログでも「青春」って普通は讃美する対象なのにあえて捨て去ってて凄いな・・・そんな事を書いていたのだが、実は「青春」って所謂若者の「青春時代」の意味だけじゃない・・・?みたいな事をライブ後にグルグル考えてるんだけど、この曲だけで原稿用紙10枚くらい使いそうなので考えがまとまったら別記事で書こうかな。

細かいライブのワンシーンで言うとTAIKING氏のアウトロがめちゃめちゃ良い顔して弾いてたのが印象的!もし映像化する事があれば絶対に見て欲しい。サチモス時代から3回くらいライブは観ているけど、今日のパフォーマンスは特に最高だった。

13.死ぬのがいいわ

『“青春病”』後、暗転。低音響くアンビエントミュージックが流れ、場内が静まり返る。場内が異様な雰囲気に包まれる中、バンドメンバーのステージがゆっくりと上がっていく。数10センチとかではない。3~5メートルくらいは上がってた…気がする。(かなり記憶曖昧だけど、とにかく高かった事だけ覚えてる)
ただでさえ高いステージの更に上からバンドメンバーの奏でる極上のJAZZが流れ出す。ムードミュージックとでも言うんだろうか?み、皆さんでインストアルバム作って貰えませんかね・・・(懇願
そんな気持ちになりながら浸っていると何やらサックスの音が会場に響き渡る。
は?と思ったのも束の間、せり上がった階段から「燃えるような赤」に衣装替えした風大僧正が御登場。
この時、思ったね。

 

藤井風、マジで人間じゃねえなって。

 

いや、色々と大変失礼。でも本当にそう思ったんですよね。あまりにも絵になりすぎているし、出来過ぎている。
絵としても大迫力なんだがもちろん演奏面も半端ない。運指はともかくとしてピアノに無い「ブレス」という要素があるのになぜここまで練達しているのか・・・ピアノ・歌・ダンス・サックスそして後で出てくるショルダーキーボード。
近年だとAlicia KeysとかJohn Legend辺りを生で観た事があってピアノを弾きながら歌ってたけどここまで多彩なパフォーマンスでは無かったな。むしろ今は亡きPrince殿下に重ねてしまった。

そしてサックスの音色と綺麗にハーモナイズする『死ぬのがいいわ』のイントロ。
もうね・・・
ぶっちゃけこのイントロまでの流れがあまりにもインパクト凄すぎて以降はあまり覚えていない。角度的にあまり見えなかったけどMVらしき映像が流れていたのは覚えている。「世界」に向けて制作中なのかもしれないけど、『ガーデン』同様にこちらも早く観たい!

今回のライブはある意味『死ぬのがいいわ』待ちみたいなとこあって、現在進行形でバズるこの曲をどう聴かせ、魅せるかってのを本人含めてめちゃめちゃ考えたと思うんですよ。持ち時間上、HEHNの中で演奏できる曲って多くない中でそりゃあ演るよねって期待にさらされている訳で。
その期待を上回るための最強の飛び道具、「サックス風」。この会場の何人が「私の最後は風がいい」と思ったことか。

14.燃えよ

そして一人シャウトし出す風。珍しっ!!
相変わらず音階の移動がスムーズなその声にTAIKINGギターイントロが重なり、『燃えよ』だと会場が理解する。

あぁ"Free"で『燃えよ』のお披露目だったな・・・とか思ってたらまた感極まってしまう。
この日二度目の炎演出等も含めとにかく会場中が盛り上がりまくる。スピーカー燃えるわ!くらい炎が上がるステージの熱風(物理)が前列を襲う。多分もう4,5列前は「熱っ!!」ってなってたと思う。
ここで言及しておきたいのはやはり「会場セット」について。
とにかく最大規模。ありていに言うとめちゃめちゃ金がかかってた。「ショボ・・・」と思う時は一瞬も無く、照明・映像・音響・舞台セット全てが超ハイクオリティ。
円盤が出たらこの辺りのバックステージ話を3時間くらい聴いてみたい。

個人的ハイライトは

あぁマジで何も怖くない この風のって進め先へ

いつもそうだけどね、ブリッジなのに最高にアガルし泣ける。

映像化された時、ここで一人両手上げてブチ上がってる人が映っていたら僕だと思います。合掌。

アウトロでのショルダーキーボードソロもすんばらしくかっこよかった。しかも全力ダンス直後とか・・・ここも割と人間やめてる。ただでさえこの曲キー高いのに。

書き出すとあらゆる場面が凄い。凄いしか言ってない。

15.きらり

『燃えよ』のアウトロ後、四つ打ちの「繋ぎ」が流れ出す。低音のキックに合わせて会場中が手拍子を始め、そろそろアレかぁ?と会場中の熱もさらに上がっていく。そう『きらり』。この曲で藤井風というアーティストを知った人も多いだろうし、「キターー!」と思ったファンも多かったんじゃないかな?

前回神戸にて不覚にも号泣した『きらり』だが、今回は泣かなかった。感情がジェットコースターロマンス過ぎてもうなんかおかしくなってた気もする。

自分にとって『きらり』は、もっと好きな曲はあるんだけどなぜか一番聴いちゃう曲なんですよ。なんか耳に馴染すぎるというかふとした時に口ずさんじゃう。そんな人いますかね。

さて、この曲の見どころは勿論Amazing amazing dancers with 風!!!

風文脈的にも『きらり』以降、特にダンスを核とした絵作りを始めたということもあり、「身体性」をライブで表現する大切な手段になっているように感じた。実際10人以上のダンサーがステージで広がってのパフォーマンスはまた一段迫力が違う。

そして熟練のダンサー達に交じって堂々と、むしろ彼らを超える存在感を放つ藤井風も凄い。リズム感とセンス、そしてスタイルの良さから来るダイナミックな動き。ある意味藤井風というアーティストの一番ののびしろでもあると思うので、これからも注目していきたい。

 

 

16. まつり

この日のハイライトオブハイライトオブ・・・∞

ライブが「藤井風の秋まつり」と銘打たれた所以であり、最も聴きたかった曲。

8月、ライジングサン・ロックフェスティバルにおいてVaundyの代打として新たな伝説を築いた事は記憶に新しい。ライブの最後に演奏された『まつり』にて、一人でぇ!PC前でぇ!!深夜にぃぃ!!!!両手を上げて踊ったあの夜の寂しさと虚しさを思うと、もうこの曲の事しか考えらないレベル。

そして16曲目、ついにその時が来た。Yaffleキーボードによるイントロアレンジから『まつり』の開始を告げる篠笛の音色にてスタジアムが盆踊り会場の空気へ早変わり。

そして驚きの演出。(何回目だよ

『きらり』よりもBPMを落としつつもさらに熱を帯びて踊るダンサー達のはるか上空、お立ち台セットで踊る風氏。いとをかし。This is Japanese “Wa(和)”

盆踊りのやぐらのイメージかな?と思いつつgraceでのリベンジも含め踊り狂う。

「多幸感」としか形容し難い瞬間だった。

あと絶対に言及しておきたかったのが、「君が激しく泣いたせいで」裏のバンドメンバーの気合の入ったパフォーマンス!!たった2小節しかないのに鬼気迫る表情で演奏している姿にガン上がり。映像化されたら100回リピート確定。

 

そして極めつけは曲後半に打ちあがった花火ね。ほぼ真下から見るとか贅沢過ぎた。

めっちゃ綺麗やわーもう最高・・・と浸っていたのも束の間、体感

 

ドォォォーーーンンンンン!!!!!!!!!

 

くらいの確実に火薬量間違えただろくらいの爆発音が響き渡る。

この日一番の事件だけど、まぁラストの景気良さも含めて秋まつりの〆かな。

17. 旅路

エンディング。ステージを盛り上げたダンサーズの紹介と退場後、最後のMC。

「みんなAmazing!!」と言いつつ「花火打ち上げてもうて最後の曲かと思ったら次がラスト」と笑いを取る風氏。英語のMCだけ書き留めたんだけど

「We are still in the middle of the long long journey and we still got a lot to learn. Let's learn together. Let's love together. 」(ワシらはまだ長い長い旅路の途中にいて、まだ学ぶことも多いけども一緒に学びましょう。愛しましょう。)

そして、「 Let's LOVE ALL SERVE ALL!!! 」という今書いてても鳥肌が立ちそうな掛け声とともにイントロが流れる。サジさん、そのイントロあと2,3回ししてくれぇぇと懇願するほど感動した。

最後の最後で矛盾しとると突っ込まれるの覚悟で、もう演出が、とかパフォーマンスが、とかそういう感情すら湧かなかった。ただただ、僕達は明日も明後日もきっと色々あるけど生きていくんだな、という思いだけを噛みしめていた

Closing

バンドメンバーが退場し、『grace』をバックトラックに最後の挨拶。

ステージの上手と下手を移動しスタンドとアリーナに手を振り、何度も何度も"hug"する姿にまたほろり。"LOVE ALL HUG ALL"を体現してた。何万人が腕をクロスさせエアハグしてたか・・・最後の最後までありがとうという感謝で会場を後にする。

一瞬で終わったような気がするけど満たされている。そんな感情で聴くフィナーレ。

あたしに会えて良かった

やっと自由になった涙も輝き始めた

明日になればさよならああ儚い世界だ

何があろうとも全てあなたのgrace

何があろうとも全てあたしのgrace

いかがだったろうか

合計1万2千字。原稿用紙30枚くらい?のアホ長い感想を読んでいただきありがとうございました。アンタ相当酔狂ですね。それを書いた君は何なんだとお思いでしょうが、僕もそう思います。次にライブを見られるのがいつかわからないし、そもそも当たる保証なんてどこにも無いしな!!

 

これだけは言えるのが、藤井風というアーティストをリアルタイムで追いかけられる僕たちの世代は幸せだって事です。

ステージ上のアーティストは勿論、全ての困難を実現してきたチーム風に大きな大きな拍手を送ります。暑い中頑張ってアナウンスしてたお兄さん、殺人的な人の量を笑顔で捌いていた物販のお姉さん、YASAIを提供してくれたキッチンの皆さんも全員にささやかながらもLOVEを送り〆たいと思います。

 

ほんっっと最高のライブでした!

また会いましょう。アデュー。

 

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