藤井風の『Hachikō』が好きすぎる。 音楽的にも歌詞的にも完全に新機軸!僕、魂に首輪つけられてるん かってくらい掴まれてて完全にハチ公ジャンキー真っ最中。「Doko ni ikō, Hachikō?」 って言われる度にしっぽ振って吠えてます。助 けてください、ことJ太郎ですワン。 今日は、全世界待望の3rdアルバム『Prema』のリードシン グルでもあるこの『Hachikō』について。軽快なリズムとは裏腹に、実はとても深い楽曲な気がしていて、「キャーたれ耳 の風くんキャワなんだけど♡」で終わらせるのもったいないんであ れこれ語ってゆく。
Why Hachikō??
まずはそうです。なんで今2025年この時代に『Hachikō 』なん? ってこと。 リリース前にこのショートが出た時の、は…ハチ公!!??って感じ は忘れらんない。
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くぅぅぅ!まーたかじぇのお茶目っぷり出てるわーw からのぉぉぉ?とニヤニヤしてたらほんまにあの忠犬ハチ公でした。タイトル的に は『何なんw』以来の衝撃 っていうか。 で、なんで今回『Hachikō』か思いを巡らせてみたんだけど 、一つは世界的な「忠犬ハチ公」の知名度 よね。 日本で最も有名な犬選手権したら多分優勝。超新興勢力デコピン*1 も老獪な動きでかわしちゃう。そんくらい知らぬ人のいない程の知名度だと思うんですけど、海外 においてもその人気は凄い。映画の影響等もあり「忠誠心( loyalty)」の象徴 としてミーム化されるレベルでの知名度 だとかで、もはや世界共通のアイコンと化している。 実際に渋谷行った時にも、ハチ公周りは「え?ここが人種のサ ラダボウルなん?」ってくらいもうえぐい人混みと多様性に驚きま くった。 そんな状況を踏まえると、『Hachikō』はキャッチー且つ「 え!?」ってなる素晴らしいタイトルで“ただ待ち続けた犬”っ てだけでなく、揺るがない愛、無償の信頼、無邪気さ ーーーそのす べてを内包した存在ってことも射程に入っていると思う。 そして忍耐強く"待つ"ことの象徴としてのハチ公 ですよね。 現代に、“待つ”というテーマをここまで真摯に描ける人、おるぅ ? SNSで大量の情報が現れては消え、僕らは今日もショート動画を 消費していく。スマホにコントロールされるワタクシ達。 自戒も込めて、現代人はもはや無為に耐え難い存在である訳ですよ 。そんな時代において、最愛の人を失っても、もがき、修練を続け 待ち続けた果ての感動の再会。しかも、忠犬ハチ公の美談をなぞる だけでなく、その象徴性を藤井風らしい「普遍的な愛のかたち 」と して歌い上げる。それがほんまに凄い。
あれこれ象徴としての「ハチ公」だよということを言ってきたが、今作は風氏本人がハチ公物語(1987年)を鑑賞してインスピレーションを受けた楽 曲 。映画も曲も犬とあまり縁が無かった僕ですら号泣したので、現在進行形で ワンちゃんと時間を過ごしている、あるいは過ごしていた方々への 刺さりっぷりはとんでもないはず。どんな聴き方でも許容する器の 大きさが藤井風の魅力です 。風って自由なんで。
過去作との違い
で、この『Hachikō』の重要な点が誰の目 線で描かれた歌詞かってこと 。 今までの風楽曲においては"生身の人間"が"理想の自分"を追い 求め、もがき、祈る というように、今を生きる人間側からの視点で語られることが大半 。 一方『Hachikō』においては、"理想の自分≒ハイヤーセル フ"側からの視点で話が展開されている 。これは藤井風史的に結構 な事件。 そしてその最たる歌詞が"この世で最も頭にこびりついて離れない フレーズで賞"の大賞を受賞した"You've been patiently waiting for mе" だ。
もはや無敵ってわけ
つまり、この御方側視点ってことね。 「どこに行こうハチ公?」という歌詞にしたってそう。基本的には主人がハチ公に対して語りかける言葉なんですよね。 MUSICAにて本人も語る*2 ようにこの5年間で本当に色々あった 模様。楽しいことも泣きたい程つらいことも併せて、藤井風という 最強のアーティストを更に成長させた。 もはや精神性が超越した結果、ハイヤーセルフ側からの視点で"T his time I'll never let you go(今度は絶対に離さんよ) "という歌詞すら書けるようになっ たのだと思うと涙ちょちょ切れる。
きらりへのアンサーソング
あと、この『Hachikō』は、特に『きらり 』へのアンサーソ ングという視点で見るととても面白い。この2曲、所謂四つ打ちの ダンスミュージック であり、抜けの良いファルセットサビが特徴だ ったりするところも含めてそもそもの音楽性がかなり近い。 自身でも「きらり2.0 」と位置付けるほどの関連性を持っている が、こと歌詞においてはアンサーソングではないだろうか と思う程対応している。 分かりやすいとこで言えば、やはりサビで繰り返される
Doko ni ikō, Hachikō?
どこにいたの?探してたよ
"どこ" という発音的 にも強い疑問詞が使われておりその後の「連れてって 連れてって 」も完全にハチ側の気持ちを完璧なまでに表している。今までこの歌詞は誰に向けて、どこに連れてって欲しいのかをイマ イチ掴みきれてないかった んだけど、ようやくわかった気がしてる。あとこの2回繰り返すことでどれ だけ切望しているかを表すのも泣けるんよね。極め付けは「何もかも 捨ててくよ 」ね。あらゆる執着やエゴどころか、その体が尽き果て ようとも主人への愛のみを追い求める 。ハチと主人、 あるいは私と理想の自分が最終的に"どこ"で出会えたのかは分か らない。死後の世界なのか、はたまた精神世界でついに再会を果た す二人。
この動機が愛以外なんだってんだ。 "死が二人を分つまで"という表現があるが、死すらも二人を分断 することはできない 。ってかむしろ逆かな。
とはいえ心地良いGood Music
もう僕書きながら泣きそうなんでここで終わってもいいんですけど 、やはり音楽的な点にも触れたい。 ここまで語ってきた感動的なメッセージをバラードで壮大に歌い上げるので はなく、今回は踊れるディスコチューン として表現。で、今作は藤 井風が初めて"トラック"から作った という点がエポックメイキン グ。
以前の例でいうと『花』 は2023年のアジアツアーにおける マレーシア公演の飛行機の中で作曲した楽曲。その頭の中のメロデ ィを形にしたのがこのdemo。
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そしてA.G Cookのプロデュースによって完成に至ったと。
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作曲⇒弾 き語りデモ作成⇒プロデューサーと共作 ってのが通常の流れらしい。 ほぼ0の状態から作曲プロセスに 入っていて雛形を渡すようなイメージ。 一方『Hachikō』はビートをサー・ノーラン *3 が提供し、トラ ックがある状態からコードやメロディーを選び取っている。 あれっすね。めっちゃ美味しいジャガイモと人参と玉ねぎ用意して ますんで!って言われた風さんがその後から料理作るみたいな感じ 。概ねレールは引かれているのでそこからカレーにするか、肉じゃ がにするか、チーズを追加してグラタンにするのか とかをジャッジ する、そして『Prema』全楽曲に関わった250(イオゴン) 氏 と共に味を整えていく、そんなイメージ。料理と音楽って似てる んですよ、実は。
反復---藤井風的事件
3rdアルバム『Prema』の全体的な傾向はわからないが、海 外のプロデューサーを迎えたからには概ね洋楽マナーに沿った作り になっていることが予想される。その中でどう藤井風の色を出して いくのか 。 洋楽は一般的にメロディよりもリズムを重視し、構成もシンプル になりがち。繰り返しが生むグルーヴってのがあって、展開を変え ないからこそ高揚感が生まれる ってのは確かにあるんですよね。 この楽曲においては、あのコードの魔術師藤井風がコード進行を変えずにループで楽曲を作っている 。この点MUSICAにおいては"自分的にもけっこうな事件 "やと語っている。 とはいえ、単調になっていないのはVerseによって発声や音程 を変化させたりSection毎に音を足したりと飽きさせないた めの工夫がいくつもいくつも凝らしてある から。 例えば冒頭、印象的な「Doko ni ikō, Hachikō? 」の繰り返しイントロ。最初の数回は静かに始ま るんだけど、「One, 2, 3, go 」の掛け声とビートのキックが重なった瞬間にハチが走り出すような推進力 を生んでいる。 加えて、浮遊感のあるシンセ音 と印象的な「どこにぃ… 」という声 も微妙にニュアンスが変化していく。3回目の「どこにぃ」はなんだか泣きそうに聴こえる。ここはハチ が教授を探して「どこに(おるんですかぁ…泣 )」ってなってるのかも。そんな変化が、迷いながらも少 しずつ前に進もうとする感情の揺らぎを表しているようにすら感じる。あと、「One, 2, 3, go」をあえてワン!と発声しているのは犬(日本式)の鳴き声 と 意味が二重でかかっている。
そして声!やはり藤井風の声は最強 。力の抜けた力強い声という矛盾を孕んだボーカルで終盤に向けて声が重なってゆく カタルシスったらない。
こういう細かいことを積んで積んで山 みたいになってる からシンプルなループミュージックでも、飽きさせず一瞬で曲が終わる。 でリピート⇒エンドレスハチコウループにハマっていく。
反復と言えば?
ここで思い出して欲しいのがMV 。
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こういうのって再会できたところで終わるじゃないですか普通 。本 作は再会を喜び、感動させるところで終わらず、実際の映像でも犬 風、神風、現世風 の3人が分かれてゆく描写 があり、また渋谷=現 世に戻ってくる。
スクランブル交差点みたいだねって教えて貰ってすげー感心した
自分なりの解釈では「理想の自分 」なるものに出会うのは簡単では なく、出会えたとしてもまた螺旋のように「明日になればさよなら*4 」してしまうが故にこの着地点になってい るのかなと思う。きっと藤井風哲学をMESS監督がストーリーラ インとしても表現した結果 なんだろう。 そんなMVにおける物語のループ性 と楽曲のループ性が対応 していたりし てまた面白いんだわ。僕こんな事永遠に考えてられますからね。
いかがだったろうか
あらためて、藤井風がこの曲で表現したいことは、きっとハチ公の美談の再演ではな い。「ウチら一人ひとりの中にある“待つ者としての心”を思い出して もいいかもよ 」ってことを教えてくれている。 今は全部がすぐに手に入る時代。SNSで誰かと繋がれる。感 情も言葉も即反応。 そんな中で、ただ待つこと、信じること、もがき、そこに在り続ける ことが、どれだけ難しく、どれだけ尊いか。 現代のハチ公ってのは、たぶん僕らみんなのことで、愛する誰かの帰りを待つ、または自分の理想とする未来を信じて精 進する、その姿をきっと歌ってる。そんで、よく待っててくれたねって褒 めてもらえる。
誰かのために信じ続けてきたことがあるなら、それは間違いなくあ なたの"Hachikō"。 僕らの中に確かに存在する、純粋な想い、信じる力、そして祈り。 それらが、藤井風の音楽を通じて、静かに、けど確かに燃え上がる 。 今は、9月にリリースされる『Prema』をただひたすら待ち続 けますワン。 それでは、お元気で。
追伸、
最後に宣伝です。
藤井風という最強のアーティストを愛でるイベントを開催します。
この記事で語ったような深いことはもちろん、風さんの音楽を歌い、盛り上がる場であり風友を作る最っ高の場です。
初の東海での開催なのでぜひ!!
申込:あと5席くらいです!よろしゅう^o^
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