ついにmillennium paradeについて書く時が来た。今まで3回程書こうと思ったが、自分の理解の追いつかなさと考えの纏まらなさのため、お蔵入りにしてきた。
ただ、あの常田大希に最高傑作と言わせる作品であればこぉれは・・・応えないわけにはいかんでしょうが!
本日24:00MV大公開!!!
— 常田大希 - Daiki Tsuneta (@DaikiTsuneta) April 28, 2020
millennium parade - Fly with me
ㅤhttps://t.co/3UEFNpqETt
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過去最高傑作だよ.
必ず見てほしいよ.
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本日24:00公開🔥
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本日24:00公開🔥
ㅤ@mllnnmprd pic.twitter.com/92gn4RbagR
今回も「解説勢」として、MVや曲について読み解いといていく。
未聴者はこちらをチェックしてから。
楽曲について
ありゃあ忘れもせん。2019年の暮れ、なんばハッチでの出来事じゃった。
"millennium parade"Live 2019のOPを飾るのがこの"Fly with me"。
それまでリリースされてた楽曲が"Veil"や"Plankton"だったからてっきり美しい映像体験の旅が始まると思ってたらいきなりのドHIP HOP。
客はそりゃあもう煽られるがままのプチョヘンザッ!!状態で、只々圧倒された。
King Gnu同様結局コイツラ首振らせにきてやがる、この最強のパリピがっ!ってのが体感した感想だ。こちら、ライブ音源。エルムホイの声がかなり前に出ててること、ツインドラムなことも相まって原曲よりだいぶ厚みがある。
開幕にふさわしいファンファーレとしての分厚いブラスサウンドから始まるこの楽曲。
相変わらずタメの効いたドラムとうねりまくりのベースは当たり前だけど、king Gnuみがある。かなり"Slumberland"に近い。
ラップも気に入っていて、特に2番のはじめ、Fat cat get it all and bleed it out !!のフローがファッキンかっこいい。
曲の1番の盛り上がりどころは2:18〜45の展開。まずはツインドラムならではのビートをしっかり堪能して欲しい。この鬼ビートに男女のボーカルが重なり合ってビルドアップされていく展開がこの曲の白眉。あんた達超Dopeよ。
MVと歌詞
今回もクリエイターズチーム、"PERIMETRON"が産み出したMV。
まずはいつメンとも言うべきディレクターの佐々木集氏とコンセプトアーティストの神戸(かんべ)っちに拍手を送りたい。特にこのクオリティのCG製作は血反吐をはいて作ったとことだと思うんだが、攻殻機動隊 SAC_2045とのコラボして全く遜色無いレベルってのがどんだけすげーことか。
こっから先はほんとMVから作り手が何を伝えたいと思ったのか、ちょいと考えてから読んでくれい。
ストーリーライン
2匹の「神」的存在が、箱庭世界を舞台にゲームしてる。その世界の住人、EugeneがこのMVの主役。さすがコラボってるだけあって、攻殻機動隊やAKIRAなんかの荒廃した世界と重なる部分ある。この世界で暮らしたら半日で死ぬ自信あります、ワタシ。
このEugeneが一応悪の親玉っぽく描かれたキャラクター、TAYと対峙するってのがざっくりプロット。
いきなりぶっちゃけるが、僕の見立てではこのTAYと黄色仮面のPopchopとは同一人物だろうと思ってる。その辺りこの物語の核っぽいのでじっくり書いていこうと思う。
主な登場人物
・Eugene(少年)
・Fuzzable(少女)
・Popchop(大男)
・TAY(ハット)
・ゲームやってる2匹の生物
重要キーワード"Money"
重要な世界観としては 不気味な2匹の生物が金を賭けたゲームに興じてて、そのゲームの中の住人として、Eugene達が生きているって事。つまり、あくまでコントロール下に置かれた箱庭を生きているに過ぎない設定上のその他キャラクター達が戦っている、というのが大事なポイント。ちなみにゲームの名前は多分「極楽」。
曲も頭から、"Money make the world go around"(世界は金で回ってる)という歌詞が出てくる。「金は天下の回りもの」という表現があるが、むしろその逆でこの世界はクソッタレな金に支配されちまってるぜ・・・というニュアンスが合ってると思われ。
そして、キャラクターが死ぬと金に変化する。これがこのゲーム内の揺るぎないルール。普通に僕らがプレイするドラクエやFFもリアルだとこんな感じ?怖過ぎ!
だが、一人、死んでも金に変化しないキャラクターがいる。それが黄色い仮面のPopchopだ。
なぜか?おそらくこれは彼が義体(サイボーグ)だからだ。
攻殻機動隊
本MVを読み解く中で、攻殻機動隊という要素を抜いて考える事はできない。
あまり長くなりすぎるのもあれだが、義体化と電脳化という造語があって、ざっくり義体化はサイボーグ化のこと。電脳化は脳にマイクロマシンを埋め込む事によって、記憶や思考を電子化できる(インターネットでデータとしてやり取りできる)みたいなイメージで頼む。
この辺りの詳細を語ると2万字いっちゃうので、深く知りたい人はこちらを見てね。
Popchop=TAY?
やっとこの話。自分の妄想を羅列していく。
1. まず前提として、Eugene達には仲間がいた。これが在りし日のTAY。以下の写真にタバコを吸う大柄な男が写ってる。
2. MVでは描写は無いが、仲間だった頃のTAYの記憶と身体性を2枚のチップにしてサイボーグに埋め込んだのがPopchop。
3. 現在のTAYはゲーム(極楽)の為に、記憶操作などで対立を強いられている。
4. 中盤でサイボーグPopchopが壊され、頭脳のチップをTAYが、身体性のチップをEugeneがインストール。これで二人とも完全体になる。
5. 戦うと見せかけ、Eugeneは争いの元凶である神を撃つ
6. 戦いの後、記憶を取り戻したTAYが涙を流しながら呟く。
(ベタに"Thanx"って言ってそう)
というのが、大体の流れなんじゃなかろうかルンバ。
どう?矛盾あったら教えて。
超重要なOfficial Teaser
初めて見た時はなんだかよくわかんなかったけど、実は超重要なティーザー。もろにロックマン的なドット絵ゲーム。実はこのゲームが、劇中Fuzzableちゃんが操作していたゲームと一致する。チップを埋め込んでパワーアップするくだりとかロックマンXのオマージュだよね、間違いなく。こういう、一見意味ない遊び心に見えて、本当は重要な要素になっているってのはPERIMETRONが好みそうなところ。こういう美学に惚れる。
ちなみに小ネタの宝庫。King GnuやSACなど様々なロゴや落書きが埋め込まれてる。本編もゲーム画面の広告がStay!!だったりしてチャーミング。君無料ユーザーなんかい!?
他にも"MP(millennium parade)"ポイントや"Be Punk"のような興味深い小ネタがいくつもあるので、探してみて。僕は諦めました!
結論
このMVでPERIMETRONが何を表現したかったか。
一言で言っちゃえば「支配からの脱却」だ。物語を主人公と敵の二項対立という単純構造にせず、真の敵を見つけ、天に向かって銃を撃つその姿は既存の価値観や世界を打ち破るべく日夜クリエイティブに生きるPERIMETRONの姿勢そのものだ。
It's time to get down with me
Or you can get high with me
It's time to get down with me
And maybe you will Fly With me
この歌詞が全て。get down withというフレーズは意味が沢山あるんだけど、「落ちていく」と「踊る」の2つの意味に取れる、この物語の核となるフレーズ。やたら「踊る」という表現を多用する常田大希なので間違いないと思うんだが。
からの、この狭い世界から飛んで行っちまおうぜという意味でのFly with me。
この風に飛び乗って 今夜台風の目となって
大空を飛び回って 命揺らせ 命揺らせ
飛行艇のこのフレーズを地で行くのがEugeneであり、PERIMETRONだということ。
ここでタイトル回収。よーできてるわ、ほんと。
いかがだったろうか
色々と言葉足らずなところが多いが、僕の脳みそがとろけながら書いたので、堪忍な。
CGクオリティについても触れたいんだけど、このクオリティをイチMVで作ってたら死人出ると思うんだけど大丈夫なんですかね?最後のバトルシーンとか映画ですよ映画。
楽曲、CG、プロットと最高傑作に相応しいFly with me。
世界にFlyするぜっていう決意表明にも取れるこの曲を各々味わい尽くせ!!