僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

millennium paradeのネクストフェーズ、 - U -について

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Youtubeより

細田守映画のメインテーマを常田大希が手掛ける・・・だと!?

しかも中村佳穂が主演で音楽をテーマにぃ!!!???それが最初に報道を聞いたときの僕の心の声。それと同時に曲のトレーラーはもちろん、片鱗すら触れたくなくって、すべての情報をシャットアウトして、映画に臨んだ。I  fuxxing hate ネタバレ。
常田大希×中村佳穂とかいう俺得でしかないコラボ。細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』を観たので書いていく。

-U-


すでに1000万再生を軽く超えている本楽曲、millennium paradeの『U』。劇中で出てくる人生をやり直すためのバーチャルなプラットフォームである「U」と同じタイトル。まさにメインテーマと呼ぶに相応しい楽曲、というよりもこの曲のメッセージがこの映画を象徴していると言っても過言ではない。

映画では開始0秒からすぐにこの曲が流れ、それをバックにUの世界観の説明が行われる。 からのクジラに乗った歌姫Belleの歌唱シークエンス!!サマーウォーズのOZの守り神であったクジラと一緒に使われるという時点でブチ上がりポイントなのだが、さながら「女王の行進」の雰囲気を漂わすそのビートと中村佳穂の突き抜ける歌声と映像美で開始3分で5億点あげたくなった。

JPOPでもない、かと言って流行りのトラップでもない、原初的なトライバルビートの上をBon Danceにも使われていたマリンバっぽい跳ねる音が印象的。世界中の老若男女が観る映画だからこそ、普遍的に高揚するリズムの楽曲を狙って作ってる、ハズ。

メッセージ

映画の世界観どころか細田作品の過去作まで取り込んでる練られた歌詞メッセージ。

冒頭からの「ララライ」、「知りたい」、「名も無い」「成らない」と母音"aai"で韻を踏む。この辺りは意味がわからなくても世界共通のリズムの心地良さ。

個人的に好きな言い回しは、「臍の緒がパチンと切られたその瞬間」。「産まれた時」と普通書くところ、常田はこう表現する。この「パチン」のもつ勢いとかオノマトペを入れ込んでくるセンスがパない。僕だったらありきたりに「産声上げた瞬間」とかにしちゃいますわぁ・・・

細田監督過去作、『時をかける少女』の"Time waits for no one."の引用で「時は誰も待ってくれないの」を持ってくるあたり、玄人をニヤリとさせる事も忘れてない。ニクい!!

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そして映画の内容と最も関わってくる歌詞がこちら。

残酷な運命が抗えぬ宿命が考える間もなく押し寄せ

砂嵐で前が見えなくたって君を信じてみたいの

恐れずに一歩踏み出したら

映画を観た人ならピンとくるはず。困難を前にやる、やらないの選択肢を迫られたその時に踏み出せるかどうかの気概を歌うこの歌詞こそが核心を突く。

未視聴の方は映画館でぜひ!心踊り、鼓動を鳴らす体験がそこにはある。

 

 中村佳穂

彼女の存在を知ってからもう2年も経つのね。この楽曲を深く楽しむのに、彼女の他の楽曲含め、どういうアーティストなのかを知っておく事は大切。

www.youtube.com

初めて彼女のライブを観たその時に思ったのは、「発する言葉全てが音楽になるアーティスト」 だ。上のライブ映像は僕の好きなフジでのピアノライブアクト。当時は無名だった彼女の歌が観客をロックし拍手喝采を受けるのをぜひ観てみて欲しい。とにかくMCと音楽シームレスさが凄すぎる。「喋りから歌への境界線の曖昧さ、それを体現する中村佳穂というアーティストの音楽的アティチュード」こそが『竜とそばかすの姫』の鈴ちゃんに選ばれた理由だと思う。彼女ほど適切な人選はいねぇ、ぜってえ。細田監督の眼力と耳力、そしてそれを実行する力は流石と言わざるを得ない。

常田大希とmillennium paradeのネクストフェーズ

 ご存知millennium paradeとKing Gnuの首謀者。今日本一の売れっ子音楽家。過労死しないでほしい、マジで。

 

さて、やっと記事の本題なんだが、3つの意味でこの楽曲はmillennium paradeのネクストフェーズに進むだけのデカイヤマだと思っている。

1つ目は「細田守作品」であるという事。つまり、日本でも随一のビッグバジェット作品且つ日本のみならず世界中で注目される作品であるという事。これだけの注目作はもはや新海誠作品かジブリくらいのもんだよね。YOUTUBEにはかなりの外国語コメントが並んでるし、改めて世界にmillennium paradeが浸透していっている事を感じる。 

2つ目は中村佳穂とのコラボレーション。ミレパのメインボーカルを務めてるのはエルムホイちゃんなんだけど、Friday Night Plans、UA姐さん、そして井口理と様々なシンガーとコラボしてきた。ここに加わったのが今回の主役、Belleに扮する中村佳穂だ。そもそも、常田大希&中村佳穂はともに1992年生まれの29歳。まさかの同い年!!同年代の天才がタッグを組むっていうのはそれだけでアガル。彼女は上で挙げてきたシンガーと比べて一番POPSよりってのもワンポイント。もはや誰がコラボしてもおかしくないってあたり、確実に次のフェーズに進んでると思う。

 3つ目はコラボする映画のテーマ性。今まで『攻殻機動隊』『BANANA FISH』や、実写では『35歳の少女』等数多くの作品のメインテーマを請け負ってきた彼だが、今回はかなり意味合いが違う。何しろ、「音楽」をテーマに扱った映画の作品であるんだから。メッセージだけでなく、曲調や使う楽器の音色、ボーカリゼーションにいたるまですべてが「U」の世界観に寄り添うどころか、Belleのキャラクター含め観客に見せつけるだけの説得力をもたせなきゃならないってこと。それを可能にしてるのがクリエイター同志でのヴィジョンの共有、そしてそれを体現できるだけの音楽的な引き出し。もう流石っすとしか言えねぇ。

 

と、述べてきたように世界的な監督から見染められ、確かな才能と共闘し、音楽をテーマにした映画のメインテーマを担う。millennium paradeという自由なるクリエイター集団が確実に次の段階へ一歩を踏み出したキラーチューンがこの"U"って訳。もしかすると次はワールドクラスの監督やミュージシャンから声がかかってる可能性すらあるよね。

 

いかがだったろうか

果たして常田大希の見据える次の一手はいかに!?と想像するだけで楽しくなってくる。それだけの意義のある仕事をこなした彼。やはりオリンピックの開会式を常田大希に任せていれば・・・ 最狂で最凶なCEREMONYを観たかった。

多分そろそろKing Gnuも動き出すと思うので超楽しみにしてる。

 

それではアディオス。

 

 

 

 

THE MILLENNIUM PARADE (通常盤) (特典なし)

 


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