先日書いたこちらの記事の番外編。
藤井風のみならず、邦楽でSporifyチャートインしているアーティスト達の聴かれている曲や地域の傾向を調べてみた。他アーティストと比較する中でまた風さんの曲について浮彫になるかなと。
※画像の国コードはこちらの国会図書館のデータで確認できます。じっくり見ていると謎に2桁のコードで国がわかるようになるぞ!
https://iss.ndl.go.jp/help/help_ja/help_country_codes.html
藤井風
Fujii Kaze - Spotify Chart History
自分的ピックアップ事項
①全邦楽アーティスト中、最多地域でチャートイン(25か国)
②特に東南アジアで絶大な支持を誇る
③東欧・西アジアでも動きが…
④『死ぬのがいいわ』のみがグローバルチャートイン
上記のように最も多くの地域でチャートインしているのが特徴。強いのはアジア、とりわけ東南アジアは勢いが違う。何しろマレーシア(MY)やシンガポール(SG)では7位にまで入っているのだから。タイで発生した流れが各国に少しづつ広がっているとしたらとても面白いね。
インドはgraceのMVロケ地であり、藤井風というアーティストの心のオリジンなので受け入れられているのは素直に嬉しい。てかgrace流行ってぇぇぇ!
そしてなぜ?って感じなのが東欧。ブルガリア(BG)やルーマニア(RU)で動きがあるのが興味深い。ラトビア(LV)やリトアニア(LT)といった普段日本で暮らしていると馴染がない国に藤井風の音楽が流れているのは中々胸が熱くなる。サウジやらUAEの西アジアの動きも見逃せない。
特筆すべきは『死ぬのがいいわ』のみがグローバルチャートインしており、その他の楽曲は動きとして表に現れていないこと。つまり現時点では同曲の一強状態で、チャートが動く程にはその他の楽曲にまで波及していないと。個人的にはこれを伸びしろと取りたい。1年前に『死ぬのがいいわ』が世界中でヒットして『きらり』を抜くで!といっても誰も信じて貰えないと思うが曲のクオリティ的に過去曲が浮上する可能性もある。『特にない』とかビートとして面白いし良いと思うんだけどな。
いやはや、もう一回ゼロから藤井風に出会える世界中の人羨ましい。
米津玄師
Kenshi Yonezu - Spotify Chart History
自分的ピックアップ事項
①全邦楽アーティスト中、2番目に多くの地域でチャートイン
②やはり強い『KICK BACK』
③台湾・香港で一定のファンダムを形成している
米津玄師も大ヒット中のアニメ、「チェーンソーマン」の『KICK BACK』で多くのファンを獲得している模様。今年一番カッコイイ曲は?と問われるとするじゃないですか。「こと、」くらいで『KICK BACKに決まっとるじゃろがぁ!!』と発狂するくらいにはかっけー曲です、ハイ。19か国でチャートインする程に聴かれているのはやはり強しといったところ。アニメも始まったばかりでこれからクライマックスまで美味しい展開が盛り沢山なのを考慮すると、藤井風に肉薄する可能性は十分にある。
個人的に気になったのは台湾(TW)と香港(HK)で「米津玄師の楽曲なら聴く」というファンダムを形成している点だ。逆を考えると凄くない?台湾のソロ歌手の母語で歌われた楽曲が日本で複数でチャートインしてると考えたらかなり異例よね。
自分は最近のというよりはニコニコ全盛期、ハチ時代の『結ンデ開イテ羅刹ト骸』くらいに熱狂していたクチで、今の楽曲はつまみ喰いしてる程度だがこれからも動向はチェックしていきたい。
YOASOBI
YOASOBI - Spotify Chart History
自分的ピックアップ事項
①主にアジア圏でチャートイン
②『夜に駆ける』中心に複数曲がヒット
③やはり台湾・香港
元々アニメではなくYOUTUBEで火が付いたアーティスト。しっかし『夜に駆ける』つえぇ。紅白でも演奏された『群青』や海外でも人気のある「BEASTARS」主題歌の『怪物』等立て続けにヒットを飛ばしたが2022年は落ち着いた印象だった。そこから今期話題沸騰中の「機動戦士ガンダム 水星の魔女」主題歌の『祝福』によって再度大きな動きをみせている。
チャートの動きはやはりアジア。米津玄師と同じく台湾・香港で安定してチャートインしているが、この2つにはやはり日本の音楽を好むコミュニティがあるのかねぇ。
YOASOBIは既存楽曲を英語詞にしての再リリースを試みているが、聴かれているのは原曲の1%以下の楽曲もあったりするため現状有効とは言えなさそう。やはり日本語の響きや語感に合うメロディというのは存在していて、英語にそのまま置き換えればいいという単純な話でもないね。
Official髭男dism
Official HIGE DANdism - Spotify Chart History
自分的ピックアップ事項
①アジア圏でチャートインだがまばら
②国内での打率が高過ぎ
特徴として海外で特定の曲がめちゃ流行ったとかではなさそうで、各国チャートインしつつもまばらといった印象。「SPY×FAMILY」主題歌の『ミックスナッツ』が東アジア各国で動きがあるかな、ぐらい。逆に言えば完全に内需でこの位置を築き上げている。チャートを見れば国内でいかに支持されているかがわかるよね。『Pretender』見てみ、半端ないって。最新シングルの『Subtitle』もそう。ドラマ「silent」と関連して深く仕組まれたギミックを考えるとまだまだ全盛期は続いていきそう。これ以上はもう無理だろと思わせる程強力な代表曲を更新していくその姿に敬礼!
宇多田ヒカル
Hikaru Utada - Spotify Chart History
自分的ピックアップ事項
①特に台湾での人気が高い
②20年選手のチャートじゃない
③『First Love』強し
世代ど真ん中。最新の『BADモード』まで含めて"Addicted To You"が止まらないヒカル氏だが、台湾で謎の人気が・・・『First Love』に至ってはなんとなんと1位を取っている。なんかのドラマで取り上げられたとかなのかしら。ご存知の方がいらしたら教えてほしい。
20年前の楽曲がチャートに入るって冷静に考えると凄いよね。自分としてはヒカル氏も全盛期を更新していると思っていて、今年は『BADモード』と『LOVE ALL SERVE ALL』しか聴いて無いんじゃないかくらい2枚のアルバムをよく聴いた。アジアのカルチャーシーンをけん引する「88rising」への参加というトピックもあったし、あらためて今後も目が離せない存在。
いかがだったろうか
自分の好みで各邦楽アーティストを取り上げたがノンタイアップで流行する藤井風。聴かれている地域や曲のチャート傾向的にも『死ぬのがいいわ』現象の異様さは際立っている。
と、ここまで書いて藤井風紅白出演のニュースが飛び込んで来た。
もうね、ニュース多すぎて楽しい!笑
それではまた次の更新をお楽しみに。