音声で聴きたい人こちら!
ワシは里庄生まれYouTube育ちぃ!
藤井風バイオグラフィー
1997年6月14日、
4人兄弟の末っ子として岡山県の南西部に位置する人口1万人ほどの小さな町「里庄町」に生まれる。
身長181cm、B型、右利きのミュージシャン。
3歳の頃より楽器を弾けない父にピアノやサックス、時には英語を教えて貰い、小学校の終わりに言われた父の一言「これからはYouTubeの時代」で、実家の喫茶店で撮影したピアノカヴァー動画をYouTubeにアップした事が、後に音楽の世界へ飛び込むきっかけとなった。
この世とは不思議なもんで、何かとナニカの巡り合わせが織り重なって現在に至る。お父(トン)様に楽器や英語を教わったこともそう、少年期にYouTubeデビューしたのもそう。
音楽に触れさせた偉大さは言うまでもないが、当時は今ほど全盛ではない2010年前後に「これからはYouTubeの時代」と息子に促したその慧眼に恐れ入る。
僕もローカル出身なのでわかるが、大抵の家庭は保守的でリターンよりもリスクを考えがちなのよね。それを撮影からアップロードという実行にまでこぎつける、これはほんと凄いと思う、マジで。
YouTubeが無かったとしてもこの才能は世に出ていた可能性が高いが、少なくとも「今の」藤井風は無かったと言えるんじゃないかな。ずっずさんと出会わずにデビューしていた超想像したくもない"if"もあり得たということよね。
ニコニコ or YouTube?"Artist on Rise"、そして紅白
アーティストのインターネット的出自ってとても面白くって、例えば米津玄師氏であれば「ハチ」名義のボカロPとしてニコニコ動画での超活躍がきっかけで人気を得、そこから僕ではとても語り切れないストーリーを経てジブリの最新作の主題歌を担当するまでに至る、とかね。僕も体験した世代なんだけど2010年前後ってほんっとにニコニコ全盛期で若いクリエイターそっちが主戦場だった訳で、年齢的に風さんがKazeKaze Pとかでボカロに傾倒してた可能性もゼロではなかったと思うのよ*1。
そう考えると出自がYouTubeであることの意味ってまた違ってくるし、当時の動画がまだ残っているというのはとても希少かつ宝石のように扱う必要がある。感謝よ感謝。
だってよ?メジャーアーティストのYouTubeチャンネル下にスクロールしてデビュー前どころか中学生時代の弾き語り動画残してる人おるぅぅ!?
そんなことをグルグル考えていくと藤井風というアーティストがYoutube公式から”Artist on Rise”に選ばれた意味というのは「ただ勢いがある」、とは一線を画す、特別な意味を帯びていると感じざるを得ない。
そしてこの活動の延長にこそ、初出場時の紅白歌合戦での「部屋演奏演出」があった。まさかの自室から紅白出るんかい!?というネタフリからのホールワープは自らの出自を大切にした意味のある演出だったということも再考に値する。結局全部繋がってんのよね。
では本編行ってみようっ!
とかいう前置きを挟みつつ、実際の動画について触れていこうと思う。
大前提として藤井風自身の演奏技術や歌唱、コードセンス等の音楽的なポイントは勿論の事、自身の翻訳や、茶番といったトータルでのアーティストへのリスペクトが込められたカバーであるってことは念押ししておきたい。
ちなみに今後この動画置き場は増えていく予定。特にシリーズ化予定の「風カバー動画一緒に観ようよ配信」の度に書き足していこうかな。
丸の内サディスティック
原曲:椎名林檎
このブログでも再三書いてきたが、僕はカチューシャ男に殺意覚えちゃう病の重症患者だったんですけどこの動画で即日寛解いたしました、ありがとうございます。ずるいずるいアンタずるい。あまりにもオシャレすぎる所謂丸サ進行の本丸曲*2でもあるので「藤井風とコード進行」というテーマにおいても大事な楽曲。
しっかしなんでこんなガタガタ揺れるキーボードでこのグルーヴが生まれるのか意味わからんし、ラストのタバコと思いきやのじゃがりこオチまで含めとにかくチャーミングさに溢れてるしで語るべきポイントが多すぎる。とりあえず言えるのはカルビーに入社して藤井風をCMで起用したいってことです。ジャグァリコォォって発音してほしい。
Rehub
藤井風女装シリーズの色んな意味で傑作。エイミーというよりかはQUEENのブライアン・メイ感が強い見た目だが、声色や歌の粘りはもうめっちゃエイミー節。彼女はドラッグ/アルコール依存症として、所謂破滅型アーティストに属するが、原曲は"Back to Black"という音楽史における金字塔のようなアルバムに収録されている代表曲。
藤井風の音楽性における「黒いソウル」部分は彼女の影響を思わせる。このカバーの粘っこい "know know know"が最新曲『Workin' Hard』における"know"と同系統であると教えてもらい、確かにいぃ!!となった。あらゆる音楽的エッセンスを吸収した先に風はおると思うとまた胸が熱くなる。女装に意味があるかは知らん。
あとはちょいちょい登場するオチの寸劇というかね。どう落としてくるんか、ふざけるのか真面目なのか、そんなとこも注目して観ると倍楽しい。
come again
原曲:m-flo
こちらも色んな意味で意義深いカバーだ。もう削除されてしまったmush up版が一番好きではあるが、こちらの弾き語りカバーもとにかく最強。改めて配信で聴いて一番アガッたのはこれかも。原曲の軽快な2ステップハウス感*3やストリングスに至るまで細かくピアノだけでアレンジするそのセンスに脱帽しすぎてもう脱げる帽子がない。2:22からの大サビ前のビルドアップのスネアロール*4をピアノので表現したところでもうね‥これはクラブミュージックです!VERBAL*5とかいう国内最難関フロー巧者をカバーする類まれなるリズム感覚、しかも弾きながら、しかも♾️アレンジもう意味わからなすぎて笑うしかない。僕の街の帽子屋から全て帽子がなくなりました。
Hotel California
原曲:Eagles
このカバーを最高傑作に挙げる人も多いが、残念ながら現在は削除されてしまっている。それでも、このカバーについてだけは触れなければならない。
藤井風がカバーしている中でも特に大ネタというかレジェンドというか。父さんがよくライブを観ていたので僕的にも思い出深い楽曲なんですよね。初めてオリジナル映像を観た時は音楽なんて全然聴いてない小僧だったけど、それでもギターが奏でる圧倒的なエナジーみたいなものは感じた。最近のわけえ奴らがギターソロはたるいから嫌いとか言ってるらしいんすけど、密室で椅子に縛り付けて5時間爆音でアウトロループしたろかコラと思いますもんね。いや、なんかすみません。
その圧倒的なエナジーをイントロからアウトロに至るまで妖しく、そして艶やかにカバーしているのが我らが風さんですよ。それにしても彼のピアノは打楽器でもあることを思い知るね。
そして、別にエロいこと歌ってなくってもこの妖艶さ・・・楽曲のミステリアスさと狂気に憑依されるが如き後半の立ち上がってのアウトロピアノ。僕が言えるのはこれだけです。
You can check out any time you like But you can never leave"
あなたはいつでも好きな時にチェックアウトできますよ
しかし決して離れることはできません
Hotel California/ Eagles
藤井風の引力からはもう離れられそうにない。
※今後この記事に楽曲については好評ならば、気が向いた時に追加していきます。
いかがだっただろうか
沼りたての時に一通りみてはいたが、どっぷりと浸かってから観るカバーも格別だった。自分の好きな曲ばかり聴きがちだが、人のおすすめと好きポイントを聴くと何度も発見があってええわあ。
予告だけどしばらくこんな感じでカバー観ようよ配信予定しとるので、よければぜひお越しくださいね。
(3時間の配信が5000回も再生されててちょっと血の気引いてるっす!)
それでは、お元気で。