僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

Fujii Kaze and the piano Asia Tour . June 24th 2023 [Seoul]感想!!

行けなくてもいい、一応自分の中では落ち着けていた。

今回はめったに見れないであろう現地ファンに譲ろう、ってかそもそも仕事で行けねーし!!と強がってはいたものの、本当はタイだろうが香港だろうがすぐに飛んでいきたいくらいの気持ち。吸引力がえげつない。

アジアツアーに向けて洗練し、世界を飛び回り進化してきた最新パフォーマンスをとてつもなく観たい!!!ってか風さんが現地民に熱狂的に迎えられるのが観たいんや!!

ただし公式での配信は無い模様。そうなると現地観戦勢による撮影分しかアテが無いわけよ。そう思ってた矢先にずっず砲ことStaff Diaryにて公式からのお達し

開催に向けてのスタッフ的な準備のアップデートもあるのですが、ライブに来てくれるファンの皆さん、ライブに来れないファンの皆さんにも楽しんで貰えるようなアップデートとして、今回のアジアツアーは、スマートフォンでのみ撮影許可にしました。(会場からの生配信はNGですが。)

元々、風がスマートフォンでの撮影許可は望んでいたのと、風自体、同じことを繰り返すのがあまり好きではないタイプなので、今回は新たな試みとして許可することにしました。

今までと違うこと、違うルール、違うレギュレーションが生まれると戸惑う方もいらっしゃると思いますが、大きな心で楽しんでもらえるとありがたいです。

藤井風アプリ アジアツアー初日より

あなたが神か…?

いや、正直観ていいのかよくわからんもんを観るってのもファン心理としては微妙極まりないもんだったので、こうやって公式がOKを出してくれるのは本当に助かるし有難い。何度もこの件は言及しているが、SNS時代で憶測が勝手に飛び回る昨今において、この風通しの良さは非常に非常に大切な要素。いらぬ分断が生まれずに済むのよ。

と、いうわけで現地にいく事ができない僕は大手を振って、そして感謝をもってアップされた風動画を沢山見させていただけるという事でございます。あれもこれもが有難し!!

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アジアを周る2つの意義

パフォーマンスの感想に入る前に、あらためてアジアツアーが持つ大きな意味を考えたい。チームがどういう意図を持っているか知っとくと細かいとこ楽しめる。                   

まず1つ目、最も大きな意図はお礼参り。

”死ぬのがいいわ”がアジア圏で盛り上がりを見せてくれ、当初漠然と考えていたアジアツアーの開催イメージではなく、今回の企画意図は、盛り上がりを作ってくれた人たちに直接会ってお礼を言いに行くツアーという明確な位置付けが決まりました。

藤井風アプリ アジアツアー初日より

なるほどね。タイで発生した『死ぬのがいいわ』旋風がきっかけとなり、「いざ 世界へ」の体制が整ったということでその筋を通す。礼を尽くす日本人らしい考え方が素敵じゃないですか。一見ミクロ的に見えるその行動原理が実は大事なのだと思う。

2つ目の意義として大きな視点で考えた際の「音楽市場としてのアジア」という観点も重要。最新のレポート*1によると、アジアは全世界の音楽市場の22.9%を占めている。たった20か国程度で、だ。

IFPI Global Music Reportより

あまりに実利に走りたくは無いんだが、売上がアーティストの格を決めるというのは事実としてあるので、成長率込みでアジアで人気を獲得するのは重要だ。

人口増加や著しい成長も見込める市場で活躍するということは、彼が更に羽ばたくための基盤を固めることと同義で、将来的には「アジアに藤井風あり」となる可能性も有る。

少し話をずらすが、同じエンターテインメントの世界で、ミシェル・ヨーがアジア系初のアカデミー主演女優賞受賞という快挙を成し遂げた。(詳しく知りたい人はエブエブ オスカーとかで検索してみてね)

人種という壁を超えて、所謂賞レースにおいても国際化の流れがあり、正にアジアの風が吹き始めている訳ですよ。アジアでの人気を確たるものにすることが、いつかグラミー賞への道に一本繋がると信じている。そんな夢を見るイチファンです。

Fujii Kaze and the piano Asia Tour . June 24th 2023 [Seoul].感想

相変わらず前置きが長ぇ!!

これだけは最初に言っておきたいんだけど、最高のパフォーマンスだった。クオリティが激高い云々を超えて真に音楽を、そして海外のファンに向けてパフォーマンスできることを心から楽しんでいる男の表情に何度も何度も×∞殺られてしまった。なんて素敵な顔してピアノ弾くんだろうねぇ。

セットリスト

こちら、全動画まとめられてる。感謝!

20230624 Seoul 🇰🇷 / Fujii kaze and the piano Asia Tour 2023 set list - YouTube

00 Introduction

01ガーデン

02きらり

03 damn

04キリがないから~へでもねーよ

05帰ろう

06さよならべいべ

07Ditto(New Jeans)

08青春病

09旅路

10 grace

11何なんw

12 golden hour-Fujii Kaze Remix

13.死ぬのがいいわ

14.まつり

前半セクション『ガーデン~さよならべいべ』まで        

00 Introduction, 01ガーデン

演奏前の深々としたお辞儀。ツアーの意義である「お礼参り」を体現しつつIntroductionとしての流麗すぎるピアノ『まつり』でスタート。Asia Tourのプロモーションムービーでも演奏されていたので、曲が持つSelf-Loveという大きなテーマがツアー全体に込められているのかもしれない。

そしてライブの1曲目は『ガーデン』をチョイス。1曲目は重要、所謂掴みです掴み。今まさにこの日本でムーブメントが起きている本人もそのタイムリーさを汲み取って、より広がる事を願って大事な1曲目に置いたのかな?とか妄想。

あったかいハミングで始まり優しい前半と激しい後半の緩急が凄い。優雅な顔をしつつも弾き語りでの演奏は相当ハード。転調しキーも上がり歌も大変だが、特にベースがいない分低音を担当する左手がやたら忙しい

02きらり

そしてこのセクションで一番グッときた『きらり』。四つ打ちのビートとファルセットが特徴的なこの曲はあまり弾き語り向きな楽曲ではないにも関わらず、人気がある故の『きらり』待ちみたいな状況も過去にはあった。しかし今回大幅にアップデートされており、特に後半部分の大サビ前の展開ではバラードのテンポまでBPMを落とし、歌い上げる『きらり』に変貌していた。生で聴きってぇぇぇぇ。チキン肌が止まらない。

03 damn

3曲目は聴きなれたバンド編成ではない『damn』。もはやブルースと言っても差し支えない程にもの悲しさを帯びた演奏にも聴こえるが、実は内省的な歌詞をそのまま表したとでも言うべきか?とにかくこの曲は冒頭の歌声の渋さで5億点出てると思ったのに後半のミックスよ!

全て流すつもりだったのにどうした?

何もかも捨ててくと決めてどうした?

明日なんか来ると思わずにどうした?

ここです、ここ『帰ろう・きらり・燃えよ』のメロディを右手でミックスしとる。このお方ピアノの魔術師すぎんか?涼しい顔で文脈的にも技術的にも高度な事をやってのけるその姿にうっとりするしかないわ。

04キリがないから~へでもねーよ

で、久しぶりの登板となった『キリがないから』!次の『へでもねーよ』含めて正直絶対やらないと思っていました…原曲が近未来を思わせる電子的な雰囲気で、それに対応するビートが特徴的な楽曲だしね。オーディエンスの「Ah,Ah」の合唱も相まって素敵な時間になっていたし、白眉はこの2曲のつなぎ部分。あまりにも綺麗に繋がりすぎて「ふ…ふつくしい」状態。自分はDJの経験があるので、曲間の違和感を無くし、グルーヴを切らさないことにこだわる性質(タチ)なのでこういうところにこそ、ニヤリとしてしまう変態なんす。

05帰ろう, 06さよならべいべ

で、『帰ろう』。命が終わる瞬間に何を残すのか、何を手放すのかという壮大なメッセージを持つこの曲が海外のファンにどれほど伝わっているのかはわかるんかな?という僕の疑問は第一声の透き通った発声を聴いた瞬間に杞憂に終わった。1番と2番で変わる曲調などストーリーの起伏がしっかり伝わっているように感じた。そして大好きな『さよならべいべ』。いつもは曲を聴けばアホみたいに盛り上がる条件反射が身についているんだが、前の『帰ろう』に引きずられてしまってね。「え?人生からのさよならべいべって意味にもとれる!?」みたいな謎の発想を生んでしまって曲調込みで胸にジーンと、ズーンときてしまった。

中半セクション『Ditto~golden hour』まで

07 Ditto(New Jeans)

MCで「修学旅行ぶりの韓国で嬉しい、オカンが韓ドラ大好きでそういう意味でも馴染みがある」的なMCで場を和ませる風氏。こうやって固有の体験を話してくれるってのは現地民からしたらめちゃ嬉しいのよね。

そんな前フリからのK=POPカバーパート。カバーはやる!多分BTSかNew Jeansと予想してたが、後者だった。イントロの印象的なメロディをファルセットで口ずさむと大きな歓声がアガル。曲の浸透度がわかるし、トレンドを掴んだカバーっていうのも大きなファンサービスだよなぁともう感心しまくりである。これさ、次のカバー集に入れません?ねぇ?

この演奏の凄さをもうちょっと語らせてくれ!

原曲の『Ditto』はジャージークラブという音楽ジャンルの要素を取り入れており1小節にキック音が5回鳴るという特徴がある。文字で書くとアホっぽいが「ドンドン ドンドンドン」と四つ打ちと見せかけて後ろ2拍が3連のリズムになっているので、原曲のビートをしっかり聴いたらわかると思う。

藤井風はカバーする際にこの特徴的なビートパターンをピアノの演奏で表現している。その気持ち良過ぎる声に耳を傾けたくなるが、一度シャットダウンして左手の奏でるリズムにだけ集中して聴いてくれ。原曲の美味しい部分を最大限活かしてアレンジする、これこそ藤井風というアーティストが幼少からやってきたことの延長。彼の方向性は何も変わっていない。アーティストへのリスペクトを携えて、全ての要素が研ぎ澄まされているだけだ。

アンタ…一生ついていくよ…

08青春病,09旅路

そして『青春病』、『旅路』とLASAの屋台骨を支える楽曲が続く。特に前者はキーを下げての演奏、ただでさえ複雑なコードを原曲からキー下げて弾くってのが地味に凄い、ただ、この2曲はどうしてもバンド欲しくなっちゃうのよね。すみませんDittoで力つきました

10 grace

で、終われないたけのこダンスgrace!近年の解き放たれた風を象徴するこの曲。あまりの神々しさに気づくと手が勝手にたけのこを作っていた。どう聴かせるかと思ったらオーディエンス巻き込み型だった。藤井風のピアノを伴奏にして歌えるという贅沢を画面越しに羨ましく観る。

11何なんw

ホール×『何なんw』=最強。そんな定理を高校で習いましたね?それにしてもオーディエンスの『何なんw』を待ってました感凄かったね。何しろ首が触れる。ドラムも無いのに鍵盤のみでグルーヴを作りだせるというところが風ピアノの凄すぎるところ。ぜひ音の「隙間」にこそ耳を傾けて欲しい。どこで音を出し、どこで音を抜くのか。この引き算完璧だから風ピアノは最高なんす。

12 golden hour-Fujii Kaze Remix

中盤のセクションの最後、遂に生で披露されることとなった『golden hour-Fujii Kaze Remix』。ある意味こんなに弾き語りに適した楽曲は無い訳だが、何しろリリースが新しい上に名義としてはJVKE名義だからね。やるかはわからなかった。やって欲しい曲No.1 ではあったけど。僕はハツモノに超絶弱い上に、この美しい旋律と歌声よ。幸せと幸せが織りなすミルフィーユが形成されていく…天にも昇る気分とはまさにこのこと。

いつか生で観られる未来を超超楽しみにしている。

後半セクション『死ぬのがいいわ~まつり』まで

13.死ぬのがいいわ

ラストセクション、海外で人気の2曲を溜めて溜めて、ピアノの弾き語り+オケ音源変化もつける感じね。

とにもかくにもまずはイントロ。まさかの『死ぬのがいいわ~golden hour mix~』!何その美味しいものに美味しいものを重ねれば超美味しいみたいな発想…いちごなのか?大福なのか?いや、いちご大福でしたぁぁみたいな。

曲がシームレスに移行していくにつれ、ライブで魅せる『死ぬのがいいわ』前の激奏。ここを音源化してくれませんかね?とか思いつつ、立ち上がりオケ音源に合わせて歌い出す風。紅い照明と低音で一気に雰囲気が一変。エ、エロい

やはり藤井風というアーティストの「身体性」を前面に押し出す狙いもあったのかな?座ってるだけじゃ勿体ない、あの体のキレも見せて欲しいなぁと思っていたので必要なパートだった。最後はやはり死んでしまわれるのね…と思いつつ客席は大興奮。この曲単体でもストーリーの起伏が半端ではない。個人的願望だが次のタイでは大合唱が起こってほしい。そう信じてる。

14.まつり

そしてラストオブラスト。ツナギがオーバーサイズ過ぎるのか、観てるこっちが気が気ではない。

しっかしこの日の『まつり』はエロ妖艶だった…この日の鼻血5Lポイントはまさかまさかのまつり。死ぬのがいいわ用に準備していたティッシュを全て使い切っちまったよぉ。

イントロダクションでもピアノで演奏していたので、『まつり』で始まり『まつり』で終わることになる。やはり愛(AI)で始まり愛(AI)で〆るのかと、勝手に意図を妄想して更に興奮が留まるところを知らない。

いかがだったろうか

最後に告知。今週末(7/1,2)で開催されるタイ公演の後に、ファンカム映像を観ながらキャーキャー言うだけの配信を開催しようと思います。

www.youtube.com

時差の関係でおそらく日曜になると思うけど、詳細はもうすぐ決めれそうなのでtwitterをチェックしていただき、ぜひお時間ある方は一緒に楽しみましょう。ってか絶対きて!!(前回より音声改善しています)

まだまだアジアの旅路は始まったばかり。ツアー完走まで日本にいながらにして楽しむことができることを「ありがたし」と思いつつ、これからも藤井風を愛でていく。

 

それでは、お元気で。

 

 

 

*1:IFPI Global Music Report

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