僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

Amazingな人の営みと恵み、そして愛み。Fujii Kaze: grace 2022 Documentaryについて

ケースにあるギミックがしかけられている。さぁ買って確かめるのだ。

今までのキャリアを包括する、総括するような

このまま引退するんかないうくらいの、そんくらいの集大成みたいなもんが続いた

Fujii Kaze: grace 2022 Documentary 藤井風本人の言葉から引用

心の底から僕の爪先まで全て捧げるのでなんとか引退しないでほしいが、「もうこれで終わってもいい」くらいの覚悟で目の前の一つ一つの出来事に挑んできたことが伺える。そんなメッセージも発せられた"Fujii Kaze: grace 2022 Documentary"を鑑賞した。

昨年10月にパナソニックスタジアム吹田で開催された藤井風の秋まつりに運良く足を運び全身全霊で楽しんだ後、Netflixのライブ映像配信後は演出の細部まで堪能したが今度こそ最後。最後の打ち上げ花火こそがこのブルーレイ"LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE"になるというわけだ。Disc1はMCカット無しのフル尺ライブ映像、そしてDisc2は疾風怒濤の2022年を記録してきたドキュメンタリー映像。

まさに僕が観たかったのはコレ!!!案件。

今日はドキュメンタリー作品、"Fujii Kaze: grace 2022 Documentary"について書いていく。ここからは作品の内容にも触れていくのでよろしく頼む。

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Fujii Kaze: grace 2022 Documentary

パナスタでのライブ後、やり切った感に溢れたチーム風の芋掘りから始まるこのドキュメンタリー。実はこのシーンこそがこの作品のラストシーンであり、遡って2022年初頭からの怒涛の日々が映し出されるという構成になっている。まずこれが素晴らしい。ザベスさんことエリザベス宮地監督の手腕ととにかく撮ったろの精神に敬礼!

時間軸の大きな柱はaahTパナスタ。その2つを起点にgraceのMV撮影やライジングサン等が同時多発的にプロジェクト進行していくようなイメージ。はっきり言うが抱えすぎ。普通に心配になる。観てるだけで頭くらくらしちゃうくらいの忙しさ加減。

それも全ての発起人、「基本この人の願望叶える」とまで揶揄されるずっずこと河津 知典のせいである。「せい」とか言うと怒られるかもしれないが、多分きっと絶対そう。

「圧倒的な存在感」くらいの言葉では到底足りない藤井風を、いかにしてオーディエンスに驚きを持って魅せるのかという一心で動くという行動原理というか欲に忠実というか。ともかく彼の強い衝動無しにはどの公演も成立しなかったのだなと改めて思った。いやほんと、頑張っていただきありがとうございます。お陰さまで毎日楽しいです。

全てに触れると1万字を超えるポエム「風と僕とパナスタ」が出来上がるだけなので、自分にとって「ある意味」思い入れのあるaahT部分について絞ってゆく。

Fujii Kaze alone at home Tour 2022

風心ついてから唯一僕が行けなかったライブ、通称aahT。32公演開催とはいえ、既に人気絶頂の藤井風がホールツアーを開催するという時点で「行けんかもしれん」とは感じていたがほんまに行けないとはな…僕が一番閉じてた時期なのであまり覚えてすらないのだが、今作風に言うとすれば「全てがamazing grace 」だと今なら思うかな。(思おうとしてると言うのが正解か?)

今回初めて公式的な映像化がなされたことで、本編のライブ映像もたっぷりと観ることができたので、僕みたいな「外れたファン」に配慮してくれたのかなぁとこっそり信じている。ザベさんありがとござます!!

え?映像の中で印象に残っていることですか?全部ですよ、ええ。

ギター風なんて知らなかったし、ダッチさんの小芝居やその地方特有のノリとファンの楽しそうな表情、ご当地名物に至るまで映像化最高&超絶感謝。

その中でもあえて挙げるならば「風さんのリクエストカードへの思い」と、「設営や運送といった裏方にまで焦点を当てた映像」、そして「コロナというamaizing grace」の3つである。

藤井風とリクエストカード

この映像通して色んな箇所で自然と涙が出たんですけど、まずはじっと一つ一つのカードを見つめ、全てのメッセージを受け取る藤井風の人間性そのものに殺られてしまった。先に読んだが故に決められない風も諦めてくじ的に引く風も全てになんというか「人間」を感じてしまった。あぁこの人ほんとに優しさに溢れとるんやなと、人を束で見ないで一人一人を見つめてるんやなと。だから歌詞にも説得力が増すし、信頼できるし、何より「カッケェェェェ!!」てなれるんよね。

全員でチーム風

そして所謂黒子について丁寧に収めたところもグッときた。美術デザイン松本さんの「風の、愛情をもって大事にされてきた印象」を具現化したような部屋作りへの愛やそれ故に作り込みすぎて設営・撤収が鬼大変になってしまったチームの成長、ザベさん自ら搬送トラックに乗り込んで、風さんの本質や業界の悩みにまで踏み込んでいく映像には本当に頭が下がる思い。いや、知ってはいるんですよ。スポットライトが当たる人とそれを準備する人がいるなんてことはさ。映像を見たことで、言葉ではなく心で、「チーム風」の有り難みがわかった気がした。

コロナという amazing grace

このタイトル付けが正しいかはわからないが、そうとしか思えなかった。都城公演にて風氏本人がコロナに罹患し公演は延期となった。当然セットは解体、楽しみにしていたに違いないファンへの悲報などチームは対応に迫られることとなる。

その直後に出てくるタイトル"Fujii Kaze: grace 2022 Documentary"。もうね、痺れましたよ。映画でもなんでも映像作品はタイトルの出方が良し悪しを決めると思ってるんですが、ここだけで5億点出てる。そして流れ出す"Amazing Grace"の物悲しさを帯びた演奏。

I once was lost but now am found

Was blind but now I see

彷徨える私を神は見つけたもうた

今なら恵みを見出せる

歌は無くとも歌詞が、魂の叫びが聴こえてくるようだった。通常ならコロナを恵みだなんて思えるはずもない。だけれども、だからこそ見える何かが、愛があるかもしれない。あの伝説のライジングサン出演も罹患が無ければあり得なかった。何か大きなものに導かれたのとしか思えないね。

あとは箇条書きでいくつか備忘録的に記しておくよ。

藤井風生着替えとかいうパワーワード。「俺ならパンツでもやらしくならない」と言う自信と体現してみせる絶対強者っぷり

・ほんっとに歌唱レベルの上がりっぷり半端ない。特にアカペラ部分。ぜひみんな英語の「子音」に耳そばだてて欲しい。語尾の落とし方とか細かいとこ。

・『若者のすべて*1聴かせろぉぉぉぉ頼むぅぅぅ

・"alone at home"という考え方が『ロンリーラプソディ』にも繋がっていたとはなぁ

・コロナ感染時の風さんのなんと小さく見えることよ

・生Higher Loveいいなぁぁぁ

・風の体力増強に付き合い続けるずっずさんの後ろで一人腹筋ローラーを引くザベさん笑

・アジアツアーに比較ね。活きてる要素もあるだろうけど、また格段に進化が見えるのも凄すぎる

・ご当地ソング素敵。リクエストに応えられる引き出しの深さが異常。リアルタイム作曲…だと…?

Happy Birthdayを自分で歌う謎。でも素敵

スーッと涙が流れる感覚、わかるよ?高校生!

・場数が違うんだよ場数がぁ!(老人ホームで歌ってきた経験値。)

・「風と僕と青春病」とかいうキモ熱い最高のポエム。僕も同じタイトルで書けちゃいますねぇ、いやいっつも書いてんな

いかがだったろうか

全編を通して藤井風という人間をコアに、関わる人々の営みそのものに焦点をあて、起こったこと全てを恵みであり愛み=graceと捉えることをこそ伝えたいのかなと受け取った。深読みしていくとラストの芋を「収穫」するという行為が「graceを得る」というメタファーにすら感じてしまう。この映像を観てからのパナスタ『grace』はもはや無敵にすら感じたね。

全てあなたのgrace 何があろうとも 全てあたしのgrace

藤井風というgraceに出会えたことに感謝し、その恵みを抱きしめて大切に生きていきたい。

 

それではお元気で。

 

*1:フジファブリックの超名曲、僕の思い入れ具合が凄い曲です。

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