来るぜ、もうすぐ。
そう、記念すべき第10回高校生RAP選手権の開催じゃあああああああ!!
会場はなんと武道館!
まぁ絶対盛り上がるんだけど、より気分を盛り上げていくために第9回見てたら改めて面白かったのでベストバウトランキング作ったった!
もうリアルに10周くらい視てるけど、いやぁぁぁ、マジで面白いね第9回!!
どんくらいおもしろかったかというと第9回を見ると第8回のほとんどの試合がしょっぱくて見れないレベル。
あ、どーもJ太郎です。 先日こんな記事を書いて、第8回までのベストバウトランキングトップ10について語った。
急にアクセス数が増えて見てくれた人が多かったみたいでとってもハッピー。
何せ「第9回高校生ラップ選手権」でググルと自分のページが1ページ目に出てくるのだ、これは嬉しい。
乗るしかない、このBIG WAVEに!!ってことで7周くらい通しで見たので考察&ベストバウトランキングトップ5作ってみた。
来る第10回に向けて、しっかりエンジンを温めておいて欲しい。
まずは今大会の特徴
今大会と前回までの大会との一番の違い…
それは…
ジブさんが消えたこと
違う、間違えた。
一番の違い、それは今までの大会で一番、出場者のフロウ重視が際立った大会だということだ。
フロウとは何か
フロウ(flow) - ラップの手法。ラップの節回し、節の上げ下げなど。
多くの場合、メロディに乗せた歌の部分を指す。拡大解釈され、ラップの個性など。「彼のフロウは真似できない」など。 Wikipediaより
要はラップの歌唱法、歌い方のこと。
この辺り、また後半で考察していくので、この辺り意識してまた見てみると大会の表情が違って見えるはずだ。
BAZOOKA 162 第9回高校生RAP選手権 in 大阪 3HSP HD高画質 ライブカット
ではでは発表するぜーい
第5位
G-YARD vs W1NG
第9回高校生ラップ選手権 G-YARD vs W1NG 【1回戦 第7試合】
今回はニューカマーの台頭が特に目覚ましかった大会だった。
新人vs新人のバトルって中々おもしろくならないんだけど、この試合はかなりの良試合。
しっかりビートに乗せつつもアンサーを返しつつ韻を踏んでいくスタイルのG-YARDと、フロウ重視で、かなりのオーラを感じさせるW1NGの対決。
見所は、
まずG-YARDの「スキニーのオカマ野郎 B-BOYはルーズが基本だろ」という先制パンチ。これには審査員長のMC漢もニッコリ(多分)
それに対して、アンサーでもなんでもないけど、W1NGの「勝った負けたばっかだけがラッパーならば待ったなしだ」という倍乗せ。ここら辺ウイングの持ち味きっちり出してくる。それでも正直延長無しでG-YARD勝ちだと思ったけどね。
しかしW1NG、延長で素晴らしい1バース目をかます。
「前人未到」からの「エンジン始動」で「アクセル全開」「ブレーキ」「クレイジー」
と意味の通ったライミングでおおっ!と思わせてくれた。
で、2バース目のG-YARDは「ベタ踏みしてるアクセル だけどこいつのラップスキルは下手すぎ」という的確なアンサーライミングで応酬。W1NGが最後のバースで上手に返せず、G-YARDの勝利!!という流れ。
個人的にビッグマウスは嫌いじゃないので、W1NGはぜひ次回も見てみたい。
第4位
イボコロリvs LEON aka 獅子
こちらもニューカマーと前回チャンピオンの対決。
この対決はバトルが巧かったのはイボころり、ラップがカッコよかったのはLEONって印象。
というのもイボころりはしっかりレオン対策してた。例えば、有名先輩ラッパーとの繋がりを指摘した「サ上のチ○ポでもしゃぶれ豚」という痛烈なディスや、レオンの口癖「クソ」を「ハイハイ"SHIT"まみれの便所」
とこれまた的確なディス。対してレオンはとにかくグルーヴィでカッコイイラップを披露。特に2バース目は全部カッコイイ!!
「俺がKOさせるぜ お前はそう 才能もないから まぁ墓に埋葬するだけこれが熱いmy soul」
って具合に"ou"で踏み重ねていく。
このビートの乗り方が一般的高校生に評価されるのはおそらくないだろうが、僕は好きだぞ!
だけど、バトルとしてみる分にはイボコロリのディスの効き方でとアンサーが返せなかったレオンでは、イボコロリに軍配が上がりそう。マジで判定微妙な好勝負!
第3位
ちゃんみな vs Rei©hi
第9回高校生ラップ選手権 ちゃんみな vs Rei©hi(レイチ) 【1回戦 第3試合】高校生日本語ラップ #3
さー、第9回大会である意味一番爪痕を残したフィメール対決だよ!
この対決はスゲー分かりやすい。
歌がうまくて、フローとビート感が持ち味のちゃんみなと韻とアンサーとディスで勝負するRei©hって構図。
まずちゃんみなのラップのうまさにビビる。ほかのラッパーと聞き比べてほしい。過去記事でも再三にわたり言っているが、ラップはビートにハマってナンボだ。
加えてニッキーミナージュを彷彿とさせるようなダミ声に、めちゃくちゃ上手い歌。なんだよ、ニュータイプかよ。
で、問題のRei©hiだ、、、
口悪すぎやろ!!
「ま○○黒」とか「殺すからかかってこいや、肉○器」とか(絶句
アレやね、ガールズトークの方が内容エグいってのと同じことやね。諸君、理想を抱いてはいかんということよ。
とにかくエグいディスの連発で160キロのストレートを投げまくってる感じ。
勝負としては、ラップ力はちゃんみなに分があるが、あまりアンサーが返せず、、、ヤベェディスしてたレイチがちょい上だった気はするが、延長2バース目、ちゃんみなの「歌だって歌えんだアタシは、これ超えてみろって話だ」
という選手権史上にも稀なビートの途中で歌を挟む離れ業で会場爆湧!!レイチもアンサーでメロディを歌うも少し届かず。落とし方は圧倒的だったので本当に僅差。
選手権の歴史に残るキャットファイトはレイチの涙とともにちゃんみなが勝利!。
さわやかスポーツ少女vsトリリンガルな練馬のヤンキーの対決という漫画かよ!?
ってか仕組んだ作家さんやるな!と思わせてくれるドラマがあるバトル。しかもどっちもそれぞれ可愛くて違う魅力アリ!うーん、やっぱエンタメはこうじゃないとね。マージで良い勝負!
第2位
黒さき海斗 vs Lick-G
今回のイロモノ枠、スイーツ系きのこヘアー男子とすでに現在の選手権におけるスター的存在、Lick-Gの対決。
一回戦で結構しょっぱい対決していたとは思えない黒さき海斗のラップ、、、まさかここまで良い勝負になるとは。
まず、海人の入り方が好勝負を決めたといっても過言ではない。もし、一回戦みたいにしゃべるだけだったら延長までもつれず、リックの圧勝だったと思うんだけど、
そこは今の若い世代はモノがちゃうかったね。R師匠も解説で言っていたUSっぽい乗せ方でしっかりとペースを作る。
対してリックもガッツリ踏みつつ返すが、この勝負でヤバかったのはやっぱり延長!
黒さきの「Mr.ガーリー」に対して「水たまり」「田舎町」「逃がさない」「苦笑い」「響かない」とすべて"aaaai"で返し、語尾を「まーち」、「なーい」と伸ばしてフロウにもオマケを付けるという高校生離れしたスキルを見せる。大人のラッパーでも中々出来ないんですがそれは、、、とにかくスゲェ!
ここが決まり手になって、Lick-G君の勝利〜!!
第1位
裂固 vs Lick-G
第9回高校生ラップ選手権 Lick-G vs 裂固 【決勝】高校生日本語ラップ #15
決勝が1位!!
大会で決勝がベストバウトになることは実はそこまで多くない。だから大会的にこれ以上良いことは無いね。
決勝のビートが大阪の重鎮ラッパーズ韻踏合組合のクラシック「一網打尽」
さすがニクい選曲ね、ケンボーさん。個人的にはコチラのリミックスも好き。
韻踏合組合 - "一網打尽 (REMIX) Feat. NORIKIYO,SHINGO★西成, 漢" Official Video
この勝負はラップサイコパスと名付けたいほどの恐怖を感じさせる裂固とリックの対決。僕、レッコに「俺に負けて裏で苦しめ!」とステージで言われたら泣いてしまうかもしれんよ。
前置きはこの辺まで、まずはリックの入り方、直前のレッコのフレーズ、「ゲットする」「勢力図」への「低脳クズ」と試合を超えたライムアンサーをかまし、上々のスタート。しかし、フロウで遊べないと言われたレッコの逆襲から大勢はひっくり返る。
「ビートなんて乗り方だっていっぱいあるじゃん お前だけじゃねぇんだよ誰だって出来るんだよ 決勝戦の相手に何言ってんだよ yo」
という完璧なレッコのカウンター!!
リックも「ライム連打の百烈拳」などのカッコイイフレーズを放ち会場を沸かすが、綺麗に踏み切れず、100点の返しとはいかない。。。で、最後のダメ押しで
「もう既に保ってるモチベーション 優勝候補にノミネート yo 裂固 on the Microphone yo Lick-Gバイバイごきげんよう」というまさに基本通りのケツ踏みでレッコがキレーーに〆て試合終了。
こりゃ勝つわ、、、ってことで 第9回は裂固の優勝!!
第9回大会の総括
だいぶ思い出したかい?
興味深いのは2点。
1.多くの新人ラッパーが台頭したこと
個人的に好きなラッパーは3人。写楽、裂固、G-YARDだ。
特に写楽と裂固は今大会でも1,2を争う名パンチラインを吐いた!
写楽のパンチライン、
「はいはい関係ないレイチの涙、お前の居場所はステージの端だ!」
これがスゴイのはちゃんみなが「レイチの涙」と沸かせた後のカウンターに「(ス)テージの端だ」とeiioaiaで完璧な韻&アンサーを返す。
7つの母音で返すのはホントに難しくって、正に一発KOだった。
裂固のパンチラインは「つまりはレッドブル、優勝をゲットする」ってとこなんだけど、なにがすごいって連想ゲームみたいに、「はばたかせ」→「翼」→「レッドブル」→「勢力図」→「全国区」→「ゲットする」
この流れを淀みなく韻踏みしながら即興でラップするすごさ、、、今ここでしか踏めない天から降りてきた韻っていうのがポイントだ。マジですごい。
この二人は第10回出るみたいなので、超応援してる^o^
(ちなみに迷パンチラインはもちろん「肉便○」だ。)
2.フロウが重視された大会にも関わらず、上位に上がったのは韻とアンサーという基本がしっかりしたラッパー達だったということ。
選手権黎明期はそこまでフロウは重要視されてなかったし、アンサーやパンチライン重視であったことは間違いない。
回を追うにつれてヒヤダムやかしわ等のフロウ巧者が出てきだすが、全体的にはまだまだフロウは重視されていなかった。
でもトレンドというのは移っていくもので、ダミ声で歌うのか、ボソボソ歌うのか、一拍に早口で倍速にのせて詰め込むのかオンビートで乗せるのか、語尾を上げるのか、、、 そういった発声、ビート、音程の集合体がフロウとなり、個性を作り出しやがてオリジナルとなる。そんな兆候が見えてきて、ついに第9回、フロウ重視のラッパーが多勢をしめるようになってきた。
APELIL、ちゃんみな、ドープマン、W1NG、$antaあたりがそれ。
対して、アンサーをしっかり返し、韻の連打を重視するのは写楽、G-YARD、レイチ、レッコといったところ。Lick-Gはどちらも使いこなすハイブリッドといった感じか。
審査員にも基準的にはやっぱりフリースタイルかくあるべしというのがあるようで、「アンサーをライミングしながら返す」ってとこにポイントが上がってたように感じたねえ。
もし高校生の観客5人の陪審員制だったら違った結果になってたかも!
さぁさぁ、第10回は誰が勝つのか!固唾を飲んで見守りたい。
第10回高校生ラップ選手権
日程:2016/8/30(火)
場所:日本武道館
放送日時9月26日(月)後9:00~深0:00