ここ3年くらいずっと好きな変態紳士クラブがついに人気爆発しそう。いや、もうしてるか。
色々オススメ書いていこうと思うんだけど、入門リスナーが彼らのようなデケェ才能を発見する手助けができればこれ幸い。
誰やねんという人はまずはこの動画をに見て?
Who is 変態紳士クラブ?
2017年結成。 ラッパーWILYWNKA(ウィリーウォンカ)と、レゲエ・ディージェイVIGORMAN(ヴィガーマン)、 この2人が、 プロデューサー/トラックメーカーのGeG(ジージ)を介して結成した3人組ジャンルレス・ユニット、”変態紳士クラブ”。
名前が終わってる。終わってるほどにふざけてる。この後先考えないセンス最高。
良いですか?所属レーベルがトイズ・ファクトリーですよ?
Mr. Children、BUMP OF CHIKEN、ゆずと並列で「変態紳士クラブ」よ? 笑えてくる。
こちらのインタビューによると、
普通にかっこよくて覚えやすい名前を考えてたんです。横文字で“Freaks”的な。僕の知り合いが「変態紳士クラブ」ってふざけて言うてて、それを思い出して提案したときは全員一致で「ないな」ってなったんですけど、あらためて「名前どうする?」って話をしたときには、また全員一致で「変態紳士クラブじゃないっすか?」みたいになって。理由は「かっこつけた名前のやつはいっぱいいるから、俺らは二度見されることにしようぜ」って。
「子どものまま大人になる」――すきにやることで成長する変態紳士クラブの2nd EP『HERO』 | スペシャル | Fanplus Music
らしいんだけどノリで決めた感満載。仲の良い友達同士で深夜に「絶対ええって!これでいこうや!的な」刹那を生きる感覚が良い。絶対朝起きた後に後悔するパターン。
興味を持った人には間違い無く刺さるけどその分リスクもデカイ。「変態紳士クラブ、横浜アリーナ公演」って見出しあったらマジで何が起こるん?って感じよね。
鳴らす音楽としては、ヒップホップとレゲエメインではありつつも、ジャンルに囚われない音楽性。ここら辺は後述する。
WILYWNKA(ウィリーウォンカ)
TAKA時代を含めるとWILYWNKAというラッパーを知ってからもう7年くらい経つ。
僕が大好きだった高校生RAP選手権でも一番応援してたし、高ラ出身者としては多分BAD HOPのT-Pablowと並んで出世頭。
若干15,6歳のTAKAとして活動してた頃から、他の高校生ラッパーからとびぬけたスキルを持ってた。具体的に言えばそのリズム感が生み出すグルーヴ。明らかにHIPHOPの素養が備わったラッパーじゃなきゃできないラップ。ビートに対するアプローチが最も「黒く、HIPHOP」してたのが彼。特に第7回選手権で演じたRACKとの死闘は全バトルの中でも5本の指に入るベストバウトだ。
Rack 対 Willy Wonka a.k.a TAKA
— «HIPHOP» (@M_I_K_E_check12) February 16, 2017
このバトル好きです~!#このバトル好きな人#この垢にフォローください pic.twitter.com/15ky08ht2X
他にも「ラップスタア誕生」で準優勝してたり、メディアにもそれなりに露出してきた。
リリシスト
上の動画でも「HIP HOPで痛い目を見てきた」という熱いラインがあるが、その後その甘くない人生をリアルに独白したのも衝撃的だった。彼の書くリリックはどれもリアルで自分が歩いてきたストリートで体験した事、大切にしている信念を歌う事が多い。コチラ彼が溺れたドラッグをそのまま歌にした楽曲。もはやドキュメンタリーとしか言いようがない。
そんな彼が立ち直り、ソロでリリースした楽曲はマジでかっけーの一言。だいぶハードなコチラがお気に入り。
Dickies. Converse. 白Tee だけでも お前らを余裕で抜き去ってく
生身一つで真正の「ラップスタア」であり生粋の「リリシスト」。最強のグルーヴと共にオーディエンスを揺らす。
VIGORMAN(ヴィガーマン)
変態紳士クラブのキャッチーさを引き受ける、最強の声。
ラッパーというよりかはレゲエ・ディージェイ。よく間違えるんだけど、ターンテーブルでスクラッチする人ではありません。レゲエというジャンルではジャマイカ由来により、歌う人やラッパーも事をディージェイと呼ぶ。
変態紳士クラブがなぜ人気が出るかってこのメロディを歌う声ね。この点ヴィガーが歌うサビは気持ち良過ぎて・・・シンガロングしやすいよね。
さらに、2人の声をかけ合わせた時の曲にマジックがかかる感じが最高で、メリハリもあって完成度がグッと上がる気がしてる。
ソロで出してる曲も素晴らしい。
代表曲はコチラ。売れるために、有名になるために大人があれこれ言うけど俺は俺のままっていう熱いメッセージ、なのにメロウさで中和されて押しつけがましくない。情熱に燃える青い炎ってイメージ。変態紳士クラブでのリリース曲と変わらないスタンス。
実はウィリーウォンカに負けないリリシストっぷりで、僕なんかはむしろ彼のリリックに響く事が多い。音も内容も僕に響いてしゃーない。
GeG(ジージ)
トラックメイカー。 彼の作るメロディとなんかキラッキラした希望溢れる音が、特に10代20代の琴線に触れてるんだと思ってる。「夏の終わり感」とか「夕暮れ・朝焼け」とか「ノスタルジック」、この辺りの情景を表現させたら右に出るトラックメイカーはいねぇんじゃねえかってくらい秀でてる。
このハードすぎず、でもJPOPの型にもハマりませんよっていう彼らのスタンスとも一致する楽曲。
彼の作る洒落っ気たっぷりのメロウなトラックは、夜に合う。深夜にドライブしながら聴くとガチで浸れる。コチラ、GeG名義で変態の2人とBASI、唾奇をフィーチャリングしたMerry Go Roundのライブ映像。チルとハードが同居した名曲。
やっぱり日本で人気出そうと思ったらキャッチーなフック(サビ)は必須。上で述べてきたいくつもの要素を絶妙に掛け合わせたバランス感覚こそが変態紳士クラブの人気を下支えしてると思う。後述するギターの使い方も良い意味でHIPHOPらしくなくてセンス◎。
それではオススメ曲書いてく
こっからは僕が好きでオススメしたい曲をガシガシ紹介していく。
好きにやる
ちょっぴり解説
一時期ずーーーーーっと聴いてた。この曲を聴いた瞬間にこいつら将来テッペン獲るなと確信したかっこよさと切なさが同居した曲。色々あるけど好きなようにやってやるぜという、若い世代の切実な願いであり決意表明の歌。トラック・リリック・音のハメ方どれをとってもツボる。
"won’t be long" "逃避行" "常識と" "Show window" "用意しよう" "もういいよ"の踏み方はお見事としか言いようがない。超フレッシュ且つ気持ちいい。
Pick Upフレーズ
I live I live my own way 肩を緩めて自由にやりな お前の人生なら好きにやれってな
Good time won’t be long tonight 逃避行 形だけの常識と
叩き割ったShow window でかける用意しよう もういいかい?もういいよ
周りの目には価値もねぇから 当然 どうでもいいよ
YOKAZE
ちょっぴり解説
トラック・ラップ・歌のどれもが僕のツボを押しまくり。全フレーズがパンチラインと言って差し支えない名曲。多分こっから入った人も多いんじゃなか?
ウィリーウォンカの低音とクッソかっこいい音ハメ(特に2:55~)、そしてヴィガーマンのファルセット含めた心地よい歌。「昔と比べりゃ確かに淀んで見えてる街並み 超えた無数の間違いの先にあるものを歌いたい」と歌われた時に普通に泣きそうになったよね、もはや。
Pick Upフレーズ
ただ争ったっていいだろこれは俺の人生さ
なるようになるさ大抵 失敗すらいつかDigest
月の光が差した日 自分に嫌気が差したり
変わらず待ってる旅立ちでも 構わずなってく明日に
P-BOYZ
ちょっぴり解説
ゴリッゴリ。中毒性。以上、他に何も要りませんよ?って曲。前作の"UGHHHHH"系統の曲でライブで最強に盛り上がりそう。狭い箱でコロナ関係無く騒げたらどんなにいいだろうかねぇ。「打ち上げ花火が止まらない」の低音とオクターブ上の「無理だぜまだWanna beじゃ終わらない」のツインボーカルのメリハリが好き。
Pick Upフレーズ
打ち上げ花火が止まらない 無理だぜまだWanna beじゃ終わらない
まだまだ持ってこい好きなら寄ってこい
オレンジ
ちょっぴり解説
エモさ溢れる一曲。この曲を聴いてるとなんか懐かしい風景を思い出して浸れる。フックの裏に流れる泣きのエレキギターが良い味出してて、ジージの音使いセンスを味わえる一曲。リリックとしては下の菓子のsoulとソールで意味も韻も完璧に通ったワードチョイスが素敵。
Pick Upフレーズ
このMy verseに込めるMy soul
このハードな道で削るソール
魂が消えるまで俺は歌い続けるだけ
いつものように街はオレンジ
こんな時間に言うよI like it
勢いしかなかった始まり 何度も犯しちゃった過ち
Sorry
ちょっぴり解説
個人的にイチオシの曲。そして色々と変な曲。出音がサビかと思いきやそうじゃなく、2つある。で、2人ともSorryという同じテーマで歌ってて懺悔の歌ではあるものの、過去のシケた自分への後悔と恋愛の後悔とで切り口を変えてるのも面白い。極めつけは間奏ギターソロ。HIPHOP楽曲「らしくない」のが良い味出してると思う。
Pick Upフレーズ
思い出す “My Babe, I Love You So Much, Forever U & I”
2人で聞いてたあの曲のサビの通りにはいかないStory
いかがだったろうか
オススメがちょっと同系統に偏ってる気がするな・・・
新アルバムの”ZURUMUKE”もカッコよかった。というか現在の彼らの集大成的な出来!
個人的に、次は酒・女・仲間・ガンジャ中心のテーマから一歩抜け出すようなストーリーテリングも期待してる。確かにリアルでかっけーんだけど、もっと色んな切り口で自分を、そして社会を表現して欲しい。そうなったらもう無敵よね。
未来ある彼らがさらにさらに「ズルムケ」する事を願ってる。
それではアディオス。