僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE 2022 10/15 ライブレポート(前編)

音を奏でるために生まれてきた人間の凄みを感じた一夜だった。

もし音楽の神様がいるとして、ただただ真っ直ぐに愛された人が藤井風と言えてしまう、そんな存在にすら感じた。

音楽に生き、果敢に高みを目指し、激しく燃えた男-そのほとばしるにEnergyに、Passionに、そしてLoveに充てられ、包まれ、熱狂した2時間弱について今日は書いていきたい。

藤井風とスタジアム


もはや言うまでも無いが本来は有観客で実施し、コロナ禍にあっても人が「自由」でいられる事を証明しようとしたのが、日産スタジアムでの"Free"ライブであった。しかし現実は残酷で、当初思い描いていた形にはならず。"Free"は無観客且つ雨という事がむしろ伝説になってはいるものの、本音ではチーム風一同悔しい思いはあったに違いない。

パナソニックスタジアムという巨大な会場で、僕はその物語の続きを見に行くんだと、「思っていた」。藤井風×スタジアム・・・つまりはぁ〜伝説!くらいの認識で。

とんでもなかった。藤井風は、そして彼を支えるチームは既にそんな次元にいない。全く違うコンセプト、規模、そして魅せ方で圧倒的なShowを作り上げていた。僕の想像なんてオーバーチュア*1の時点で軽く超えていた。

チケット当選と自分の席について

詳細なレポートに入る前に自分がどの座席からの視点で書いているのかについて説明しておく。以下の記事でチケット当選について色々と書いた。

CDの先行で巨大会場なら大丈夫っしょ!大丈夫・・・だよな?くらいに思って申し込んだが、落選の阿鼻叫喚を見てしまい、もはやパナスタすら狭い事がわかり戦慄。

デカイ箱と僕は相性が悪く、大抵一番後ろでよくて真ん中よりちょい前くらいしか当たらないのでまぁ豆つぶでもしゃーない。行けるだけマシ!!と思い込んでいたが、蓋を開けると「だいこんエリア」というほぼ最前列のプラチナチケット。実際にはだいこんの上手側、中央スクリーンが半分くらい見切れてしまう位置からの鑑賞となった。

向こう5年分の運は使ったと思う

ライブ開始後も肉眼で十分顔が認識できるレベルの近さに、現状認識ができず頭がバグり散らかしつつも感謝して、真摯に全てを見届けようと心に誓う。

当日のこと

完全に藤井風の夏まつり状態の暑い日だった。体調に気をつけつつ、特にSERVE ALL AREAに長くいて楽しんだのだけれども書き出すと記事が長くなりそうなので別で需要がありそうなら書くことにする。一つだけ言うならVIVA YASAI!!

セットリスト

スタジアムライブを成り立たせ、且つLASAのコンセプトを漏れなく伝えるための曲チョイス。戻れるなら開始直前にタイムリープしたいほどに最高だった。

1.何なんw

2.damn

3.へでもねーよ

4.ガーデン

5.やば。

6.優しさ

7.grace

8.帰ろう

9.さよならべいべ

10.ロンリーラプソディ

11.それでは、

12.“青春病”

13.死ぬのがいいわ

14.燃えよ

15.きらり

16.まつり

17.旅路

全曲感想

OP

黄昏の光がぼんやりと沈みかけたスタジアム。会場アナウンスに期待が膨張しやけに集中力が増す。雲の無い四角い空の辺から辺までを鳥がよぎるだけで感動する。普段は空なんてろくに見ないくせに。

一人で悶えているとついに巨大なスクリーンが真っ青にそまり巨大なスピーカーとウーファーから重低音が響く。まずはバンドメンバーが登場。前に神戸で見たGt.TAIKING / Ba.真船勝博(まふさん) / Dr.佐治宣英(さじさん)に加え、ついにプレイヤーとして前線に出た Key.Yaffle!

さすがに"Good As Hell"スタートではなかったか・・・この時点でいつもと違う夜になることを確信しつつ、主役がどう登場するのかだけに意識が集中する。

会場の手拍子で場内もボルテージが高まる中、ついにステージ下から坐禅を組んで登場する風。よくステージ下から飛び上がってくるのは見るが、坐禅は新しすぎる・・・世界広しと言えど風氏の他にいないのでは?白い法衣スタイルの衣装も相まってステージに蓮の花が咲き誇るレベルで神聖な空間と化す。

この人やっぱ聖☆お兄さん出てたわ。

1.何なんw

デビュー曲。自分にとって『何なんw』は藤井風との出会いの曲で、当時「え、この人凄くね?」とチェックしはじめた特別なんですよね。イントロでこの約3年の時間を思い、第一声で最初の涙がほろり。数万人の観衆とスタジアムで同じ時間を共有している事実に感動する。得も言われぬ気持ちはエモいじゃ表せない*2とはこの瞬間のためにあった。巨大スクリーンに映る本人も感動で震えているように見えてまたグッときちゃったんですよね

パフォーマンスも音程にアレンジを加えつつ、会場を盛り上げる。会場が大きすぎて普段よりさらにもたって後ろノリなリズムで曲が進み、ついにアウトロのピアノソロパート!!

自分の視点からは中央にグランドピアノが配置されていることに気づいていなかったのでアリーナ中央に進む風氏を見て頭が真っ白。弾いてる背中を見るかスクリーンで表情を見るか迷いすぎて頭が扇風機みたいになった。今考えるとこの時点で結構満足しちゃってたかも。

2.damn

からの『damn』。まふさんの分厚い低音の1音目で曲を理解し、ですよねーと頷く。LASAの盛り上げ番長且つMVも公開して間もないとのタイミングで盛り上がらないはずもなし。スタジアムすら揺らすアゲ曲として、今後も末永く愛されていく曲になると思う。

2曲目にして早くもダンサーズが登場し、MV中盤からのシーンを再現。最後も変顔にて〆て綺麗にオチが付いた形。男前のギャグってまじズルイですよね。

それにしてもダンスよ。本職のダンサーズのクオリティは勿論の事、年を追う毎にキレを増すダンス。ほんっとにマイコーみたいになってきたな、ヲイ。

3.へでもねーよ

そしてステージが暗転し、見慣れない和装の男前がデカデカと映る。イントロの尺八パートを奏でるその男、長谷川将山。本職の尺八吹きの実力が半端ではなさ過ぎてしばし聴き惚れる。三味線、篳篥、尺八、今後はそんな和楽器とのコラボレーションもありそうだなーと色々と妄想しつつ、いつものビープ音とHIPHOPビートが流れ出す。LASAバージョンでの『へでもねーよ』で、音程も半音下げ。

前半3曲は完全に会場をロックしアゲるためのセトリになっていてその目的は達成されたように思う。さらに前の方のマダム達が右手ハンズアップしてノッていたのを見てヘッズとしてはかなり胸熱だった。

 

4.ガーデン

よう来てくれました」から始まったMC。目がうるうる過ぎて会場中の目頭という目頭を刺激しまくる。感極まりつつも風氏は「Please feel free, don't worry, just be happy. This is our time. This is our world. This is our…garden」(気楽に、心配しないで、ただハッピーでいてください。ここがワシらの時間、世界、そして…ガーデン)

と英語にてMC。

西日本一の『ガーデン』狂、当代随一の庭好師であるところの僕のテンションはここで最高潮。この曲を生で聴きたかった…!!温かい日差しのようなハミングがとても心地良い。あと、

夜が秋を呼んで 私は旅に出て

素敵な出会いだけ 待っていて その日まで

もう完全に今この瞬間の情景描写。この瞬間のためにこの曲を書いたのかってくらい。ラスト転調後のゴスペルパートも自分の心の中でクワイヤの一員となりテナーパートを熱唱。バラードなのに何やら一人でブチ上がっていたのは僕です。

角度的に全然見えなかったんだが、何やら中央スクリーンではMVらしき映像が流れていた。8ミリフィルムっぽい映像でお花咲き誇るガーデンで笑っていたような気がする。花の妖精か?もうお願いだから絶対にMVにしてリリースしてほしい。

 

5.やば。

英国風?のオシャレベンチが小道具として導入され、即席のセット+ダンサーズ再登場でミュージカル調の演出。それこそMichael Jacksonの"The way you make me feel"で小道具での寸劇演出やダンサーとの絡みがあったりしたのを思いだした。日本だと安室ちゃんとかがやってたなぁ。一連のライブの中でストーリーに起伏を作り、流れを変える事ができるのってソロアーティストの強みよね。よく考えたら自分史でソロアーティストって未体験だったな。ほぼ全部洋邦のバンドだったし基本は演奏のみだったので、そういう意味でも新鮮だった。あらためてライブの演出って奥が深い。

そしてこの曲の聴きたかった後半部分。僕は知っている、90's風R&Bがどんだけ歌いこなすのが難しいかを。このミッドハイのキーが続く曲を歌いこなすのがどれだけ修練のいることか。フェイクにしろシャウトにしろそれだけでも大変なのにダンサーと踊りながらて!あんた元々ピアノ弾きやん・・・やば。

6.優しさ

『優しさ』唯一神教信者の僕ですが、このアレンジバージョンには本当に驚いた。まさか『優しさ』からピアノを抜くとは・・・

聴きなれないTAIKINGのバッキングに「温もりに触れたとき」というフレーズが乗った時「おぉ・・・」って漏れてしまっていたかもしれません。最初カバーパートかと思ったよね。これも次のアルバムのボーナストラックとして追加してくれないかなぁ~何回でも聴きたい。

さて、この曲の白眉は大サビ前の慟哭とでも言うべきシャウトだ。今回の鼻血5Lポイント。シャウト前のブレイクでほんの1秒だけ会場中が無音の瞬間あるんですけど、数万人誰も呼吸すらしていなかったと思う

歌をそれなりにやるとわかるんですが、得意なキーってのが誰しもあって一番気持ちよい声域があるんですよ。個人的にはこの『優しさ』のキーにのる風声が一番好き。深さと艶がとても好き。

7.grace

新曲ライブ初披露。まさかまさかの撮影許可。この記事のキャッチ写真もその時に撮ったもの。もうすっかり暗くなったスタジアムが星空のように装飾されていき、特別な夜が果たされていく。

とか浸っていたら一つ大事な事を思い出した。え?MVを何度も見返して練習したたけのこgraceダンスはどうすれば・・・とか悩んでいたらあの神聖なメロディが流れ出し曲が始まってしまう。

この日一番素敵な時間はどこかと聞かれたら「そりゃあgraceでしょう!」と秒で答えるね。ただ、スマホでの撮影に集中しちゃってあまり覚えていないのが玉に瑕。

 

8.帰ろう

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 「おれは レゲエのカバーが始まるかと思ったら いつのまにか帰ろうを聴いていた」 な… 何を言っているのか・・・・・・・・・ わからねーと思うが・・・・・・・・・おれも・・・ 何をされたのか・・・・・・・ わからなかった・・・・・・・…

ポルポルもびっくり(©集英社)

今度こそカバーパート!ボブマーリーでも歌うんかいな?と思っていたらなんと『帰ろう~レゲエmix~』になっていた。『帰ろう』に人生救われた会名誉会員の僕にとってこちらも相当の驚きポイント。テンポがかなり落とされてて軽めで明るい曲調でのプレイ。ただここで痛恨の歌詞ロスト&間違いでやっちゃった顔をしてしまう風氏。BPMもピアノも弾いてなかったらそりぁいつもと違っちゃうわなと。ずっずさん、こちらもぜひ視聴機会の提供を切にお願いいたします。

9.さよならべいべ

パフォーマンスめちゃめちゃ最高だった。

もう行く時間か 最後までカッコ悪いわしじゃったな

って歌ってるけどアンタ今世界一カッコイイよ!って思いながら聴いていた。この曲が鳴るともう終わりかっ!?とハッとしてしまうんだけど中盤での起用。オーディエンスと手を振りながら一体と化すHEHNの盛り上げ番長ここにあり!とか余裕ぶって聴いてたんだけど、ここも急に泣いてしまったんですよね。

なんかね、

新しい扉を叩き割った 前に進むことしか出来ん道じゃから

泣いとる時間もないようになるけどな 今 誰も見とらんから少しくらいええかな

新しい扉を叩き割り続ける藤井風、前にだけ進んでいく彼の心情と真っ直ぐ重なりすぎてまた泣けてしまった。まさかこんなに泣いてまうとはな。

 

後編へ続く→

 

imlv40.hatenablog.com

 

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*1:英語で序曲の事

*2:サンプリングFrom PUNPEE

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