僕はレベル40

心が動いたことをかいていく

【藤井風】Fujii Kaze "HELP EVER HALL TOUR" @ 神戸国際会館こくさいホール/1.27(水) ライブレポ

 「風」という名前がこんなにも似合うアーティストはどこを探してもいない。

ある時は優しく頬を撫でる風に。

ある時は冷たく突き刺すような風に。

ある時は心を浄化する爽やかな風に。形が見えないからこそ、彼の音楽は変幻自在に僕たちの心を温かく包み込み、そしてかき乱す。

人生初の藤井風のライブ後、それこそ暴風が過ぎ去った後の空のように、僕の心はカラッと晴れ渡った。

 

とか言うとりますけどmore!!

 

人生初の風ライブ!つまり生で!!藤井風という稀代のアーティストを体感してきたので、詳細レポートしていきたい。ネタバレ多数含むのでそこんとこよろしく。

 

 

ライブ前

藤井風は本当に実在するのか (哲学

そもそもそれが1番の疑問だった。

 

あのMVで魅せる物憂げな、妖しい表情。ラジオで魅せる可愛いMC。そして何より声とピアノを自由自在に操り、楽しそうに弾くパフォーマンス。どこを切り取っても絵になるこの男、なんか違う世界線から来た人かもくらいには思ってた

 

前日ちょっとドキドキして中々寝付けませんでしたからね、僕。そんな状態で当日を迎え、阪急電車に揺られて神戸三宮へ出て会場の神戸国際会館に到着。

なので最初の感想は「良かった、ちゃんとライブあるんやな。」だった。

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会場のフォトブースでパシャリ


 

初の神戸公演

アルバムの初回特典で当たっていて、本当ならだいぶ前に行けていたはずのライブ。コロナ憎しと思えど、どうにもならないのでただ無事に開催される事を祈った。こくさいホールというアクセスもよく、神戸を象徴するようなお洒落で素敵なホール。一席ずつ空きつつも後ろの方も2階までもびーーっしり人人人だった。

会場BGMにはアルバム特典のHELP EVER HURT COVERが流れており、会場の上品さと相まってとにかくリッチな時間と空間がそこにはあった。

会場は男:女が2:8くらいの印象。20〜50代女性が彼のファンのメイン層なんだなってわかる客層だったと思う。そりゃな、風君見てたら女性ホルモン湧き出てきて美容に良さそうやしな。知らんけどmore。

でも小学生くらいの少年や50代くらいのサラリーマンもいたし幅広い年代を見かけた。物販買ってる70代くらいのマダムもお見かけした。

 席はほぼほぼ中央。早速買った黒のロンTを着て、席につく。特に昨今、アーティストを応援するなら絶対物販買う事だと思うので、応援の気持ちで色々買った。超がんばれ。

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戦利品。デザインも良い感じに普段使い出来そうでセンス○

 

後はひたすら待つこと30分くらい、突如スピーカーの音が大きくなり、LizzoのGood As Hellが流れ出し、会場は手拍子で完全に本番直前モード。もうすぐ会える!という期待のテンションが会場を包む。 

原曲はしょうもない男と付き合ってる女性に、もっと自分大事にして!あなたが主役よ!というメッセージの曲ね。音源化されてたっけ?秒で買うのでリリースはよ。 

大きな拍手とともについにバンドと本人が登場。

 

セトリ

1. 風よ

2. 調子にのっちゃって

3. キリがないから

4. 優しさ

5. 特にな

6. 罪の香り

7. 死ぬのがいいわ

8. 裸の心(あいみょん)~ニホンノミカタ(矢島美容室)

9. もうええわ

10. キリがないから

11. さよならべいべ

12. 帰ろう

13. 青春病

14. 旅路

15. Just the Two of Us (Grover Washington Jr with Bill Withers)

16. 何なんw

 

後述するけど、流れのあるよーく練られたセトリだと思う。素晴らし!

全曲感想

あとは勝手に思ったことを覚えてる範囲で書き殴る。所々間違ってたらごめんね。

 
1. 風よ
まさかの1曲目だった。ブルーのライトに照らされた風君がグランドピアノでイントロを弾き出し、「暮れる 町の侘しさも」の歌い出し。第1声が切なすぎる。その後バンドが合流し、グッと音に厚みが増す。ライブで絶対聴きたいと思ってたラストの大フェイク(握る手は離さないでの後ね)も堪能。僕もこんな風に綺麗に音の階段降りてみたい。最後はウィスパーとピアノソロのアウトロで〆。 
 
2. 調子にのっちゃって
イントロで白い"HELP EVER HURT NEVER"のデカイ文字が出てくる。演出超素敵。
黒のセットアップ?によれた白シャツの風君の全身が見え、「立ってもええでぇ〜」の声かけで会場がスタンディング。こういう状況で立ち上がって良いのかわかんなかったので、些細なとこに優しさを感じる。
各種MVで見せるダンスでわかってはいたが、体のキレが良いのでパフォーマンスのカッコ良さががえげつない特にピアノを弾かないダンサブルな曲な。キメる時にイチイチスタンドの横にずれてサービスショット演出くれるあたり完全に[わかってる。
 
3. キリがないから
この編成であのビートをどう表現するのかと思ってたらオケだった。まぁそりゃそうだよなと思いつつ、トラックに合わせてひたすら気持ち良く揺れる。彼の曲はシンガロングできる曲が多くって、この曲も「Ah Ah」の部分を歌いたすぎたけど心の中で大熱唱。会場のみんなも同じだったと思う。
 
MC-自己紹介

そして今日初MC。いきなり英語で挨拶しちゃうあたり風節極まってる。「言うてますけどmore」も最初からくれて、大奮発。あのカッコいいパフォーマンスの後の流暢な英語MCの後に舌ったらずで拙い、だがそこが良い!!な岡山弁MCに会場は大盛り上がり。声出しちゃいけないと思いつつ、笑い声もちらほら。神戸をやたら連発し、ホールを褒める風くん。岡山の隣の県、兵庫開催という事で本人も帰省したような気分でというリップサービスも忘れない。

4. 優しさ

圧倒的オーラ。人間オーラの泉。

ライトに照らされてピアノ弾いてる姿が、後光にしか見えん。やはり聴いててこの曲の完成度は段違いだなと再確認。会場のリッチさ相まって本当に豊かな時間だった。

ラスサビ前の慟哭にも似たシャウトも音源超えてて最高すぎた。いつか生のオーケストラを携えたバージョンも聴いてみたい。

 
5. 特にない
指パッチンする度にみんなのネガティブな感情がなくなっていくように」、と願いを込めて歌われた曲。何?会場を鼻血で血の海に染めたいのですか?
会場がポジティブなオーラで「満たされていく」のがわかったレベルで良い曲。風くんが「アタシ」って一人称使うのあらためてずるいわ。
 
6. 罪の香り
この日最も上がった曲の一つ。生で聴くに限るなと思った一曲でバンドのグルーヴがえげつない事になっていた。特にサビ後半のビートはヘドバンできるほど激しくノレた。
生の「おっと 罪の香り」も聴けた。色気がすごい。藤井風の色気で日本がヤバイ。
 
7. 死ぬのがいいわ
長めのピアノソロで超絶速弾きを聴かせてくれたと思ったら聴き慣れたイントロにスムースイン。 紅いライト演出でほとばしる激情を表現したと思ったら巨大な影で紅いカーテンに風シルエットが出現。やっぱライブの醍醐味はこういう演出の積み重ねな。配信ライブはありがたいんだけど、この辺りの立体感がかけてるんだよなぁ。めっちゃ上がった瞬間だった。
 
8. 裸の心(あいみょん)〜ニホンノミカタ(矢島美容室)
やたらお客さんが拍手で手が痛くならないか気にしていた風くん。
神戸出身のアーティストについて一節歌ってくれるとの事でチョイスはあいみょんの『裸の心』。これは・・・クル!「今〜私〜恋をしている〜」と熱唱。良い声すぎる。
からの『ニホンノミカタ』。ちょっと会場の盛り上がりがイマイチだったような気がしつつも僕は爆上がり。彼のYOUTUBEカバー動画の文脈を組むアゲ曲だった。

 

 
9. もうええわ
僕が思う最強のスルメ曲。切ないピアノメロディの下をヒップホップを感じるビートがグルーヴを刻む。音の圧が凄くって現場向きの曲だなぁと思いながらもこれはホールより、狭いライブハウスでハンズアップしながら聴きてぇなぁと思った。
 
10. へでもねーよ
からのヒップホップの流れを切らさずに『へでもねーよ』。見える、子連れ狼が見える・・・。この曲では風さんのダンスが、「コンテンポラリーダンス」っぽくて、日々感じている苦悩とか冷たさとかを強がりながらも克服しようという表現に感じた。冬の風のような冷たい表情をしつつ歌う「へでもねーよ」は音源とはまた別格によかった。
心の中で爆上がりしつつ、これも狭くて汚いライブ会場で跳ねたい曲だった。ライブにDJいたらまた違った演出だったかな?
 
MC-バンド紹介

グルーヴの流れを切るために一度MC挟んだのかな?人生初の明石焼き(つゆで食べるたこ焼き)を食べて感動しており、「おすすめです」と話す風くん。ご当地の人にご当地グルメを推すという謎のボケをかましつつバンド紹介へ。ギターのブンちゃん、ベースのマフちゃん、ドラムのサジさんという今ツアーを支えるバンド達。サビからカットインしてくるセンスあるギター、大きなコントラバスまで弾きこなすベース、グルーヴを産み続けるドラム等語り尽くせないセンスある音がこのライブの土台になってたと思う。 

11. さよならべいべ

聴きたかった。ライブで盛り上がる絵が見えてたよね。この曲は僕の心情とめっちゃリンクしてる。特に「来んと思った時はすぐに来た」の箇所!一瞬諦めたライブがついに!そして思ったよりすぐに来たというこの状況と重ねてとにかく冒頭からエモかった。会場みんなでWave Handsして超楽しかった。でも歌詞がライブの終わりを予感させちゃってまた切なくなるんよね。 

12. 帰ろう

一番聴きたかった曲。2020年で一番聴いた、効いた曲。そして絶対泣くわぁと思ってたら意外と泣かなかった。何ていうか爽やかな風に包まれすぎて、心のネガティブが「シュワァァァ」って浄化されすぎて悲しくならなかった。一番感動した。 

 

13.  青春病
このライブ通して一番高揚した曲。身も蓋もない事を言ってしまうと曲が良い。良すぎる。マジで完成度高い。
音源初聴き時、「ホーン、こう攻めるのね、でも俺はへでもねーよ派やな」と思っていたが、この曲も聴けば聴くほどに表情を変える多彩さに感動するばかり。で、トドメがこのライブ。MVよろしく青春病ダンスで会場の一体感も最高潮に!個人的には最後のブンちゃんギターのフュージョンっぽい音色とアレンジが好きだった。もっと音圧欲しいくらいだった。
 
14(Enc. 1) 旅路〜ピアノ弾き語りVer.〜

アンコールの後、サービスで新曲披露。曲的には『帰ろう』の文脈を受け継ぐ爽やかなテイストで大好物。まだ自分の中に歌詞は入りきってなかったけど、サビの綺麗な裏声が聴けただけで大満足。木曜の虹色カルテが待ち遠しくなって楽しみが増えた。早く音源としても聴き込みたい。

 

15(Enc. 2)Just the Two of Us (Grover Washington Jr with Bill Withers)

紅いシャツに着替えて登場。ブラックミュージック史においても非常に重要なこの一曲を何とサックス吹きながら登場。歌とサックスが交互に聴こえる天才的な魅せ方、聴かせ方。カッコ良すぎてここで脳内鼻血が5リットルくらい出てしまった。完全に亡国の王子。藤井風の魅力で世界がヤバイ。BillbordでHELP EVER HURT COVERツアーやってくれ、5諭吉出すくらいの準備はあるぞ!!

 

16. 何なんw

ラスト。ホールに合うだろうなと思ってたら案の定最高だった。ステージの端から端まで動きながら会場にデカイ愛を届ける風くん。かと思えばラストのグランドピアノ激ソロ。ほんまにアンタ何なん?

会場もどうでも良くなって「何なん!!!」って叫んじゃってたと思う。ちょっと聴こえた気がするし。音源よりも一拍溜めて歌うフレーズが多かった。タメの効いた楽曲をまた引き立ててたと思う。あと、ラストの「うーるぁぎりのブルースゥ バラベレン ベベ レべレン べベレン ババランバ」が聴こえていたら僕かもしれません。

最後の最後まで「こうべぇのみなさーん!また来ます良いお年を〜」と拍子抜けするような優しさを見せたところで閉幕!!

とにかく色んな「風」に吹かれすぎて、ジェットコースターのように感情を揺さぶられるライブだった。ありがてぇ。

いかがだったろうか 

思いが溢れすぎて5000字を超えてしまった。

成長していく彼を追っかけていけることは、ある意味成熟しきったアーティストのライブとは違ったストーリーを楽しめるのでこれからも目撃者の一人になっていきたい。

何度も同じ事を言うが、藤井風はリアルタイムで追いかけた事が自慢になるタイプのアーティストやと確信してるので頑張ってチケット争奪戦を勝ってくださいまし! 

ツイッターで百の呟きを眺めるより、一回ライブ行った方が彼の人となりを間違いなく理解できる、そんな事を感じれる最高にアツイ夜だった。

次のライブで彼がどんな変化を、進化をしているか今から楽しみでしょうがない。

それでは今日はこの辺でアディオス。

 

 

 

  

 

 

HELP EVER HURT NEVER(通常盤)

HELP EVER HURT NEVER(通常盤)

  • アーティスト:藤井 風
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: CD
 

 

 

 

 

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