優しさがじんわりと視る人に染み込んでいくような、素敵な時間だった。
今までいくつものオンラインライブを視聴してきたけど、いろんな準備もしたの込みで一番楽しめたと思う。自分にとって特別なライブになったので色々と思いを書いていく。
Fujii Kaze “Free” Live 2021
オンライン開催の決定
8月17日、ライブのオンライン開催が決定した。元々オンラインライブが好きではなかったし、提唱された"Free"のコンセプトにとても共感し、あれもダメこれもダメでがんじがらめだった2020〜2021の楽しみが奪われた!と一時は思ったし悔しかった。詳細はこちらに書いた→
ともかく、自分の中で楽しみに変えることができるかも、とは思えた。
で、何したら一番楽しいやろうなと思った時にSNSでアイコンを芝生に変えるのがトレンドになってたのを見た。その時、
そう、僕はマイルームを芝生にしちゃおう、それで最高の環境でライブを楽しめばええやんけ、と閃いた。そっからは即行動。部屋を計測し芝生風ラグを購入し部屋を日産スタジアムに変える事に成功した。
部屋の芝生化、間に合ったぁ!誰が何と言おうと僕は日産スタジアムにおる。各々が"Free"に楽しむ事を教えてくれた風さんほんまありがと。明日は最高の日になる事を願って。#藤井風 #FujiiKazeFreeLive2021 pic.twitter.com/D6KAOgJflP
— J太郎@僕はレベル40 (@imimlv40) September 3, 2021
今まで寝そべって携帯か、よくてPC &ヘッドホンでダラダラ見ていたオンラインライブを、「本気で楽しむ」つもりで準備した。今まではオンラインライブって楽だけど、どっか物足りなさを感じてたのはここだったんだわ。
最高に楽しみにして、最高に準備して、最高のパフォーマンスを見ればそれが最高の体験になる。
書いてて恥ずかしいくらい単純な発想だけど、アーティストがどんなにいいパフォーマンスをしても受け手に楽しむための気合いと覚悟が足りないと、それは良い体験になり得ないんやなと。そう、ライブコンセプトよろしく"Free"な発想で楽しむっていう、当たり前過ぎて気づきもしなかった事に気づく事ができた。もし現地開催であればこの発想には至らなかった。もう藤井風というアーティスト、そしてチーム風には感謝しかない。マジで。
ライブレポート
前置きに1000字も使っちまった。
それではこっからは今日のライブについて書いていく。
1. きらり
風史上、ぶっちぎりのヒットとなったこの曲。
曲のジャンル的にもサビのキー的にも、弾き語りには向いてないんじゃね?と思ってたんだけど、いやいや!藤井風を『きらり』で知ったって人も多いだろうから、ちょっと見てみよっかなと思ってたくらいの層の耳を向けさせるのには1曲目として最高の入りだった。
何よりも感動したのがその演出。モノクロで始まったライブがサビ後にきらりとカラフルに!で、タイトルがドン!!!
もうね、5億点です。自然に拍手したし「おーッ」って声出たよね。
藤井風は単体で藤井風にあらず。こういう一つ一つの演出はチームワークあってこそなんですわ、ええ。
2. Heal the World
1時間という短い尺にも関わらず、敬愛するマイコーの曲を弾き語り。
これ選曲が最高で、"Heal the World"ってスタジアムでめっちゃ映える曲なんすよ。
コチラ、1993年のSuper Bowlのハーフタイムショーでの伝説ライブ。
Heal the world. Make it a better place.
For you and for me and the entire human race.
世界を癒そう。もっと素晴らしい世界にしようよ。
君のため、僕のため、そして人類すべてのために。(拙訳:筆者)
政治は混迷し、まだまだコロナ収束の気配は見えないこの時代。「分断」という2文字が僕らを覆っているけど、あえて今このメッセージをありったけの笑顔で届ける風君は本当にエンジェルに見えた。なんか翼見えたし、うん。
著作権上の関係でアーカイブからはカットされてる。つらみ。
3. 燃えよ
なんとめっちゃ序盤でのお披露目。てっきり最後かと思ってたので完全に裏切られた形。なんとなくバラードと思ってたのでアップテンポだった事にも驚く。
終演後の即ストリーミング解禁といいずっと驚かされっぱなしだった。ほんとチーム風したたかよね。素晴らしいわ。
この曲に関しては原曲も聴き込んで別記事を書く。
4. もうええわ
メロディを削ぎ落とした風ラップでの歌唱で最初笑った。細かいけどアーカイブで首の動かし方とか見てほしい。ラッパーしてるわぁ。
『燃えよ』の歌詞を初めて読んだ瞬間に『もうええわ』と対になる曲だというのは想像していたがやはりセトリ的にもストーリーを作ってきた。
個人的に今回一番沁みたメッセージはこの曲だった。悲しい時、怒った時、どうしようもなくやるせない時、この曲は一つの答えを提唱してくれる。
ぬけた 阿呆なゲームいちぬけた
夜が 冷めた風に吹かれてた
ふらつかないで 踏みしめて
内なる風に吹かれて
そう、アホなゲームは抜けちゃえば良いのよ。それよりも内なる心の風に耳を傾けて本当に大切なものをしっかりと見極めて次に進む事こそが必要。
もうええわ 何が大切なん?よう選んで
ラスサビは気づいたら一緒に熱唱してた。
5. 優しさ
雨足も激しくなってきたところで、でかいスタジアムを風散歩。
有観客だったらみんな絶叫してるんじゃねーの?ってくらい全方向に歩く、歩く、歩く。完全に観客そこにいた。
いやー「水もしたたるいい男」ってレベルじゃなかったね。スタジアムに残響する高音と合わせて個人的に今日の鼻血5Lポイント。
6. 特にない
恒例のオーディエンス参加パート。指ぱっちんから今回はスタジアムの響きを重視してクラップにチェンジ。なんの恥ずかしげもなくオンラインでクラップできたのは初めての体験だった。この瞬間、確実に何かが繋がれた気がした。
聴くたびに思うんだけど『特にない』なんてない状態になる。こっち的には『特にある』んだよなぁ。
7. 死ぬのがいいわ
こちらも恒例の長めの速弾きピアノソロ、からの美麗イントロにスムースイン。
何となくこの曲と『罪の香り』は演らなそうな気がしてたのに意外だった。濡れた鍵盤と髪の毛、低音、ファルセットと止まることを知らない色気がもう・・・優しさと並んで鼻血5Lポイント。
細かいけど曲前に「恵の雨(Blessing Rain)」と呟いたのが印象的だった。
結局全てはものの見方、考え方次第よね。
8. 帰ろう
自分の人生の中でもすごく大切な曲。もはやイントロ聴くだけで涙ぐむレベル。YAMAHAのグランドピアノ×風で僕の涙腺がやばい。こんなにもピアノって良い音なんやなと。
いつも最後の歌詞で泣くんだけど、今回はなぜかイントロから最初の方にグッときた。自分の状態によって、どこの箇所でも響く。
あなたは灯ともして わたしは光もとめて 怖くはない
失うものなどない 最初から何も持ってない
8.5 風昼寝
日産スタジアムのライブ中に昼寝し出したおそらく史上初の人物。それが藤井風。
日本で一番デカイ会場で堂々と普段の寝そべり配信を、ラフな白シャツとデニムでカマすこの胆力が僕にも欲しい。だって同接17万超えよ?僕なら頼むから早よ終わってくれぇぇと涙ぐんでるわ。
9. 青春病
この曲の終盤感は異常。終演に向かって場の空気もグッとドライブしていく。
特にカメラワークが印象的だった。会場内を360度グルーっと周回するカメラ・・・見える、見えるぞ笑顔で風ダンスを踊る観客が。
グッときたのが、「君の声が 君の声が」の部分でピアノをミュートさせて指差し「君の声」。強調されたワードとバッチリカメラ目線でファンを失血させる気満々であるよ、この男。ただ、この曲はやはりアウトロのギターが欲しいなぁとは思った。
10. 旅路
"Next song could be the last song."のMCで始まった名目上のラストであり、怒涛のシングル連発でのスパート。そしてこの日一番グッときたMC。
まぁみんな人生ほんま色々あるけど起こること全てには意味があるから、理由があるから。怖がらずに、ビビらずにいきましょうや。俺ら兄弟やし、ウチら姉妹やし。みんなこの宇宙っていう大学の生徒やから。
この果てしなく大きなユニバースで考えれば同じ大学(ユニバーシティ)におるんやし、手を取り合って一緒に歩んでいきましょうやというメッセージに受け取った。普段抱える僕らの悩みがどんなにちいせぇことか。地球規模どころじゃねえ、宇宙規模で考えるんだ。
11. 何なんw
Youtubeに「アンコールボタン」があったら100連打してた。そんなファンの思いが通じたのか、この “Free” Liveを締め括る一曲をラストにプレゼント。
もはや言うことなんてないです。ただただ終始一緒に歌ってましたわ。
ちなみに17万人見てる前での「何なん待ち顔」がこちらです。
さすが風!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる! あこがれるゥ!
そしてアウトロのピアノに合わせて流れる感動のスタッフロール。Streaming Directorを務めたダッチさんこと山田健人監督の手腕にヤラレっぱなしの1時間だったと言っても過言ではない。曲に合わせたカメラワーク、アングル、冒頭述べた番組構成など全体を完璧に仕上げてきた。
もうね、変顔以外に隙が無さすぎる。ほんまあんたら何なん?って感じですよ。
終演後にメッセージ付きポストで〆。
いかがだったろうか
【Free】
縛られていない / 行動の自由な / 自主的な / 開放された / 無償の
もはや「久しぶりに風君のライブ見れてラッキー!」ってレベルなんて全然超えちゃってて、明日からちゃんと生活していく上での大切な活力と信念みたいなもんを貰った気さえする。無償の愛を届けて貰った分、精一杯推して他の色々な形で還元していきたいなと強く思った。というかファンはみんなそう思ったんじゃないかな?
改めて、ライブはそこに至るまでも含めた全体のストーリーが大切だなと気付かされた。大事なライブになった。
アリーナツアーが開催されるかはわかんないけど、いちいちヤキモキせずに彼のメッセージを信じてどこまでも追っかけていきたい。
Someday We'll Be "Free" to Get Together!! Love
ありがとう!また会えるよ!風
それでは今日はこの辺りでアディオス。
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